新・週刊フジテレビ批評

The 批評対談

テレビが映し出すファッションをぶった斬り!

DATE : 2018.03.03(土)

CATEGORIES : | The 批評対談 |



雑誌やSNSでのタレントや政治家のファッションチェックで知られるドン小西氏。そもそも彼は2000年からフジテレビの「とくダネ!」でレギュラーコーナーを持ち、その辛口批評が人気を博した。デザイナーとして第一線で活躍し、伊勢志摩サミットのロゴマークなど様々な選考委員にもなっている。ファッション界の重鎮である彼は、テレビに映るファッションをどう見ているのか。ファッションデザイナーのドン小西氏をゲストに、ライターの吉田潮氏が斬り込む。

ドン小西氏はファッションデザイナーとして国際的にも高く評価されている他、長野五輪・シドニー五輪の日本代表選手団公式ウエアのデザイン・監修や様々な服飾やロゴデザインの選考委員も務めてきた。テレビや雑誌では、辛口のファッションチェックでもお馴染み。

先日、2020年東京オリンピック・パラリンピックのマスコットキャラクターが決定したことに関して、小西氏は「フェアではないと思った。大人が3点仕込んで、しかもどこかで見たようなキャラクターを使ってきて、小学生に選ばせた」と苦言を呈した。
応募総数2042件の中から法律やデザインなど様々な要件をクリアした3案から選ばれた今回のマスコットキャラクター。
小西氏は「ハヤシライスにビーフカレーに野菜カレー、どれにしますか?」のようと例示し、「他に食うものあるだろう。選択肢があまりにも大人が作り込んでしまっている」と指摘。
今回の一連の経緯に関して、オリンピックのロゴマークなど他の問題があったことなどもふまえ、「スムーズにすみやかに決定していきたいという予定調和そのもの」と分析。
そして、「発見も何も新しいものは生まれていない。それだったら小学生から募集した方がよっぽど早い」と小西氏は語った。
伊勢志摩サミットのロゴマークなど様々な選考委員を務めている小西氏は、今回の3案のマスコットキャラクターの選考に関しても「誰が3つを選考して選んでいるのか」と疑問を呈し、「いつもそういうことを思う」と指摘。
小西氏自身が選考の場にいてもそれは感じるとのことで、選考の場において「選考委員のデザインとは関係ない人がいる。どこかのレストランの料理長がいたり。あんたがデザイン選ぶのかい?と。誰がそういう選考委員を10名なら10名選出しているのかといつも不思議。日本独特のシステム」と小西氏ならではの意見を述べた。
プロフェッショナルがいないということもあるが、フェアに選考していった方が良いとのこと。
国際的に活躍する小西氏は、「ギリシャなど他の諸外国を見ると、必ずこの選考委員で良いのかという、選考委員を選考する会議がまたある」と選考委員を選考する人選が諸外国では行われていることを明かした。

吉田氏は、「とくダネ!」の中でファッションチェックも担当されていたドン小西氏を以前より拝見していたとのことで、「『とくダネ!』なのか、『スッキリ!』なのか。もう長いことテレビ界にいらっしゃるから、どこで見たかなと思いながらも、毒舌も楽しく拝見していたし、『少し違うのではない?小西』と思う時も少しあったりして」と小西氏の印象を述べた。
一方、吉田氏は「ファッションは難しい。個人の感覚や流行などがある」と述べ、小西氏に「どこを基準にして、どんなことを意識してコメントしているのか」と問いかけた。
小西氏は「僕は何が流行っているのか、今年のトレンドは何など、それを先に取り入れていた方が良いなどという捉え方ではない。その人らしさが出ているか。独創的なのかと。一番基準にしているのはTPOであったり、そこにおける自分らしさがどれだけ出ているのかだったり。それにどう時代性を取り入れているのかという見方」とTPOや自分に合ったファッションかどうかを見ているとのこと。
また、「別に流行りものを身に付けていなくて良い。ユニークな格好をしている人は、内面が出てくる。意外とその人の内面、考え方もユニークなことがある。普通のつまらない格好している人は、意外と意見を聞いてもつまらない意見しか出てこない」とファッションから内面をも読み取ることができると小西氏は語った。

そして、「お洋服を買う時は、洗濯機で洗えるか・洗えないか」という吉田氏のファッションに関しては、「潮さんはさりげなくアピールしようと、ややしたたか。どこかアピールしようとしているところが見受けられる」と小西氏は評価。
「腹黒いというより…。良く言えばしたたかさのようなものが。意外と普通に見えながらもふっと出してくるという。お頭が良い人なのだろう」と辛口から一転、好評価を述べた小西氏に対し、吉田氏も「あら褒められてしまった」と嬉しそうな表情を浮かべた。
小西氏はファッションから内面をも読み取ることができ、「だいたい政治家でも悪いことをしている政治家は、捕まる2年ほど前から見抜いている。この人は国民の方を見ていないなど。その通りになっている人なんていっぱいいる」と小西氏ならではの鋭い視点で述べた。

さらに、今回は「復活!ドン小西の“辛口チェック"」ということで、小西氏に話題の方々のファッションチェックをしていただいた。
まずは、平昌オリンピックの公式ウエアに関しては、「世界に発信する気合いがない。これを見ていると、平和ボケしている。吉祥寺や下北沢で買ってきたようなニットキャップの水玉など。ネットで買ったボーダーのマフラーのような。こんな場ではもっともっと日本をアピールしないと駄目」と述べ、アピール力が足りておらず、目立つ赤色についても「全然こんなのは普通」と厳しい評価。
続いて、平昌オリンピックに訪れた、イバンカ・アメリカ大統領補佐官のファッションについては、「この人も前から関心はあるのだが、自分は美人という意識が強い。だから人より一歩先に出るというか。アピール力がすごい」と述べ、来日した際のファッションについても「あたしは金髪にピンクが似合うでしょ?足が綺麗でしょ?と言わんばかり。でもどこかコクのようなものがない。綺麗なのは分かった、スタイル良いのは分かった、トレンドも取り入れている。少しコクがない。そういう感じ」とこちらも辛口評価。
そして、吉田氏が気になるという、月9ドラマ「海月姫」に登場している瀬戸康史さんの女装姿については、「男性に女性の服を着せるということで、気合いが入っている。だから分かりやすくエッジを利かせている。例えば、コートでもそう。右と左の色が違うものなど、意外ときちんとアピールしている。気合いが入っているのだろう。女性らしく見せなくてはいけないというところで。スタイリストとしては、気合いを入れればこれぐらいできるというひとつの良い例」とスタイリストの気合いの入れ方も評価した。
山中アナウンサーのファッションに関しては、「何ひとつけなすところはないと思う。ロングスカートで、ピンクのプリーツスカート。丈といい、上のトップスの短さ、分量感、少しデコルテの刺繍で、ボートネックの開き方、どこもけなすところがないのだが、テレビに出るファッションではない。番組を盛り上げるというより、私をもらって…というような」と評価し、「少し良い顔して、お婿さん探ししているような。もう少しエッジが効かないと駄目、エッジ」と辛口評価。
また、「自分を売りこんでいる」との小西氏の評価に吉田氏もファッションに本心が漏れ出るのだと述べ、小西氏は「私はかわいいでしょ?お料理も良いのよ」とファッションから見える内面の印象も続けて述べた。
「良いお嫁さん候補のような」ファッションだと吉田氏も述べ、「したたか」と一言。
山中アナウンサーは、スタイリストと一緒に選んだ洋服とのことで、3月3日のひなまつりに合わせて、「かわいらしいピンク色の雰囲気で」と選んだ理由を述べた。
「スカートは座っていたら見えない」という小西氏が「下はだいぶおひなさまという感じなのだが、トップスをもう少し気合いを入れても良かったかも。少し巻き毛にしてごまかしているような。巻いておけばどうにかなるだろうという」と述べると「見抜かれていた」と山中アナウンサー。
吉田氏も「ミス無難」と評価を述べた。
普段のファッションとしては合格という山中アナウンサーのファッションは「自然というか、等身大と言ったら等身大」だとする一方で、テレビ番組に出演する人々のファッションについても「往々にして今はそういうのが多い。タレントさんでも何でも見ていると。一般の人とレベルがあって安心している。そのレベルではテレビは駄目」とテレビに出演する人々のファッションに対する意識についても言及。
吉田氏は「アナウンサーって、そういうものが求められてしまう職業ではある」と述べた上で、「無難というか。毒にも薬にもならないが、不快ではないというところはある」とアナウンサーという職業だからこその難しさを示唆した。
「あまり目立ちすぎてはいけないという意識はどうしても働く」という山中アナウンサーに対し、「でも国民性もあるのでは?例えば、ロシアやデンマーク、スウェーデン、イタリア、中国、様々な国のアナウンサーを見ていると、日本って意外と緩いのが流行っている。お嫁さんにするには良いでしょう?のような、リラックス感、そういうものが多い。だから普通。朝の番組でも若い女子アナがボンボン出てくるけど、覚えないから。つまらない。印象にも残らない」と他の国々のアナウンサーとの違いも述べ、「空気のよう」と女子アナウンサーへの厳しい評価も述べた。
そして、「もう少し皆、気合いが入っても良いのでは?それと、もうひとつは、自分でも考えないと駄目。スタイリストさんや衣装部に任せきりで着ている。今日は何を着ているかと分かっていない人もいっぱいいる。僕もテレビは長いが、皆、昨日着たものも覚えていない」とアナウンサーや出演者が自ら自分のファッションに関して考える必要性を唱えた。
小西氏は「ニュースでも番組の内容など、そういうことも把握しながら空気感をファッションのコーディネートで提案するということも大事」とアナウンサーは難しい職業だが、番組の内容に合わせたコーディネートをする力も必要だという。
一方で、吉田氏は女性アナウンサーのファッションについて、「あまり見てはいないのだが、少しゆるふわが多いなと」と小西氏の意見に賛同し、「昔の女性アナウンサーってもう少しノーカラーのジャケットなど、ピシッとした感じのものが多かったような気がする」と昔と今の女性アナウンサーのファッションの違いについても言及。
「今は皆ふわっとゆるっと」と述べた吉田氏に対し、小西氏も「ふわっと普通の。そこら辺で歩いている女の子のような。代官山など、ああいうところにいるような女の子のトレンドに近づいて、間違っていないわと安心している。テレビは一歩先を行ってくれないといけない」と一歩先のファッションを取り入れるべきだと主張。
また、「番組に合わせる、番組のカラーなどそういうものにファッションを合わせていくということも大事」だと述べた小西氏は「多分、今、衣装はスタイリストさんや様々な方がいるだろうが、何も考えないでやっていると思う。本当に考え方も緩い」と指摘。
「もう少しきちんとやらないと」とした小西氏は「僕は自分の作品が10秒テレビに出るというだけで、何日も徹夜する。それぐらいのことは気合いが入っていないと駄目」と考え方や気合いの入れ方について語った。

「小西氏はカジュアルな方に行きすぎていることを懸念しているのでは?」と感じた吉田氏の問いかけに対し、「平和ボケと言ったが、少し緩く。よく言葉で出てくる、ゆるゆるやふわふわなど。時代を象徴してしまっているというか、今、ファッションにお手本がいない。女優さんでも癖のない人が多い」と今、ファッションの“お手本"となる人物がいないと指摘した小西氏。
また、「そうすると良くないのは、癖があると嫌われてしまう。一般大衆文化にどうやって迎合していけばと。高い洋服を着てはいけない、奇抜なものを着てはいけないと。そういうイニシアチブを視聴者が握ってしまっているものだから、それに迎合しよう、迎合しようという風潮がテレビはあると思う」とテレビは一般大衆に迎合しようという傾向があると言及。
万人受けを目指そうとしている衣装が多い現在、「万人受けしないことには数字が取れない、視聴率が取れないと。そこまでしても視聴率は取れていない。意気込みは分かる。ファッションというものは、内面を映し出す鏡。そういうものをカメラさんが映像で撮って、カメラさんもつまらないなという気持ちもあるのでは?」と小西氏はテレビを見ていて感じることを述べた。
吉田氏も「気合いが足りないということは、確かにあるのかもしれないが、今だとこの人のようになりたいという方がいないという話もある」とした上で、「ネットに持っていかれてしまっている」と述べた。
「ネットにそぐわないと受け入れられないという。僕らのファッションの世界で言うと、大量生産・大量思考、そういうこと。そういうのがものすごくはばかっている」と小西氏は言及し、「車など文化、商品から全部そう。大衆文化。アロマセラピーや高級なベンツもSUVに上がっている。荷物が積めて、人がいっぱい乗れてと。そういう役割がメーカーごとにある。それが本当に一握りの人たちだけの車メーカーも、SUV、四輪駆動を作ってしまったり。一般大衆に全部迎合して。ニーズに応えよう、マーケティングなどといって。ただ数字が欲しいだけ。こんなことやっていると、21世紀の文化・文明なんか何も残らないと思う。新しいものが何も生まれていないもの。あるものをどう加工しているなど。少し著名なブランドになるとアーカイブなどと言って。逆戻りばかりしている。新しいものを何も生み出していない。だから、今後50年60年って世界どうなるのだろう?何も残らない。20世紀の総決算をしてしまっている。ファッションも何年代、何年代と」と、大量生産・大量消費が進むと文化が生まれないと危惧を示した。
小西氏の意見に対し、吉田氏は「確かに庶民からすると、儲けを嫌う主義。金持ちやお金をかけたファッションに現を抜かしているところに対して、皆、目を厳しくいく時代ではある」とした。
また、小西氏は「SNSも少し行きすぎてしまっている。何か少しするとすぐ炎上してしまう。そういうことを皆が監視している。その中には妬みもある。少し守りすぎてしまい、コンプライアンスなどと言ってしまって何もできない。何も生まれない」とインターネットやSNSが普及している現代社会の中で、新しいものが何も生まれていないことを指摘した上で、「テレビに言いたいのは、もうひとつ一歩先のことをと。皆に影響を及ぼすようなポジションであってほしいと思う」と希望を述べた。
吉田氏は「ファッションでいうと、どういうテレビが良いのかなと。私は特にドラマばかり見ているので、ドラマがファッションリーダーではないが、先導する力はまだあるとは思っている」と述べる一方で、小西氏は「一時の石田純一さんなど、当時出たトレンディドラマ、あれは何かしらヒット商品を生み出した」とした。しかし、「今は違う。今は一般大衆にどれだけ近づけるか、その一般大衆の空気をどれだけ作れるのかということ。衣装も全部そう。本当に自分たちに身近なそういうシチュエーションを作らないことには受け入れられないという、困ったもの」と昔と今のテレビドラマから受ける影響や制作側の考え方の変化について言及。
「本来テレビというものは、高嶺の花だったのでは?見て、憧れて、元気をもらって、頑張ろうというもの。あの人も私たちと同じ価値観なのだとそれで安心していたら駄目」と本来のテレビが持つ価値を語った小西氏。
吉田氏は、小西氏の意見に対し、「もしかしたら、昔は高嶺の花を目指そうとテレビ局の人も思っていたが、今は皆こういうの好きでしょう?とテレビ側の方が上から目線になってしまったのかもしれない。だから値段が低い、手軽に入るなどというものばかりになってしまう」とテレビ局側の意識の変化について示唆した。
「リスクも負っていない。この辺をばらまいておけばと、鳩に餌あげているのではないのだから。そういうふうなイメージが僕はある」と辛辣な意見を述べた小西氏。

一方で、アナウンサーのスタイリストについて、テレビ局のスタイリストが行っていると思っていたという吉田氏に対し、フリーのスタイリストが付いている山中アナウンサーを始め、皆バラバラのスタイリストが担当しているという。
小西氏は「テレビの衣装はだいたいスタイリストさんだから。言葉が悪いかも分からないが、スタイリストが悪い」と指摘。
「提案能力がある人がいない。もともと洋服が作れる人ではないから。本物のスタイリストはデザイナーの右腕。だからキャスティングもそうだろうし、お姫様のようなドレスを着ていても、スタイリストひとつでそれがパンクに素足で歩けなど。時代によってどんどん変えてくる。デザイナーにエネルギーというか、影響力がある。でも、今の日本のスタイリストといったら、洋服を運ぶ係」と、スタイリストの概念の違いを言及した小西氏。
借りてきた洋服を運んでいるというスタイリストに対し、「日常的にそれが普通になってしまっているものだから。もう少しファッションに長けた人たちが真面目に取り組んでいないといけないと思う」と指摘した。
小西氏は、スタイリストを使わないとのことで、「スタイリストをたまに使う時には『こういうのを揃えておいて』と言うのだが、説教になってしまう。『こういうスカートにこんなトップスなんか合わせないでしょ?』『こういう靴を合わせる時は何でこんなにソックス短いの?』と言ってしまうという小西氏に対して、「小うるさそう」と印象を述べた吉田氏。
「だから『はいはいはい』と言って、先生と生徒のようになってしまう。でもだいたい基本が分かっていない。そういうところが少し…」と述べた小西氏は、「洋服は製造工程であるとか、ファッション誌、服飾誌を勉強するなど。技術面など、そういうことは大事」と洋服に関するありとあらゆる知識と技術を身に付けることが基本であると強調した。

吉田氏は、WOWOWの「プロジェクト・ランウェイ」という海外の番組を見ており、「年齢は関係なく、若手のデザイナーさんたちが20人ほど腕を競う。お洋服をどんどん作っていって、ランウェイに毎回テーマに合わせて出すのだが、けちょんけちょんに審査員が言う。1人ずつ転落していって、最後の1人がブランド立ち上げ資金をもらえるというリアリティ番組」であり面白いと紹介し、小西氏も面白いと高評価。
吉田氏が「プロジェクト・ランウェイ」のような番組を日本でもやったらどうかと提案すると、小西氏も「良いと思う」とした。
対ブランドなど審査員に関しては、少し偏る面もある一方で、「若手が本気になる。自分らしさという、自分にはこれしかできないと」と述べ、人種も皆違う中で「自分たちに合うような、自分だけのものづくりにどんどん挑戦していく。それが今、日本には一番欠落してしまっているのではないか」と日本に欠落しているところについても述べた小西氏。
その一方、小西氏は日本で「やるべきだが、日本では実際ものが売れていかないなど。そういうことで話が長くなってしまう。そうすると、どこのデパートに卸すなどと言っても、日本独特のシステムでデパートは物を仕入れない。売ったことのない、見たことのない、全くの独創的なものは一番売りにくい。売りにくい=作る方は大変な思い。見たことのないものを作るのだから。これで納めたは良いが、すぐほとんど返されてしまうと。生まれること、生み出すことを様々な環境やシステムのようなものが、芽が出ないように封じてしまうような環境であるのは事実。本当にそう思う」と生み出すことを封じるような環境に危惧を示した。

新しいものを作る際に前例がないと厳しい状況に置かれてしまう現在、「皆そう。アパレル関係でも、商品企画会議だって、何が売れている、どこのあれが売れている、いくらで何が売れている、何色が売れているといったデータ次第。よくパクリと言うが、似たようなものがほとんど出てしまう。デパートだってそう。今苦しいから、売れるもの売れるものといってしまうと、本当に大衆・消費者に迎合してしまう。ニーズに応えていたら遅い。先にいかなくてはいけない」と小西氏は、ニーズに応える、大衆に迎合することよりも先を歩む必要性を唱えた。

吉田氏は小西氏の話を聞き、「テレビでできることもあると今おっしゃっていると思う。テレビが先頭に立ってその風を切っていくようなことがもしかしたらできるかも」と期待を込めた。
小西氏も「あるひとつのドラマが様々なものに影響を及ぼすなど。いわゆる若者の考え方、思考、そういうものを変えていく。そこからファッションが生まれる、流行が生まれる。様々なことがあるような気がする。皆守りすぎてしまう。担当の番組を作っている人から見るとそうではないか。自分の番組は数字を落としたくないとなると、結局『どうですか?どうですか?』と。さっきの百貨店と一緒になる。百貨店が百貨していない、十貨ほどしかしていない」と語った。
また、「こじらせがどこにもない。どこにでもあるものしか売っていない。テレビも同じ。どこでも同じような横並び。こういうのがいつまで続くのか?どこかがプッと抜け出した方が良いような気がする、リスクを持って」とこのような状況を打破すべきだと述べた。
「フジテレビができるかな?」と言う吉田氏に対し、「やるべきだと思う」と答えた小西氏。
チャンスだと思って、一歩先を目指してみることが大事になっていくと小西氏は考えており、「皆さんも逆境は感じているだろうから、そこから抜け出すと。そこしかないと思う。もっと守って守ってといっても無理」と視聴率を守るのではなく、見てほしいという思いが重要だという。
そして、「そのためには独創性も大事。どこの局でも今横並び。何かがあると同じようにまた同じようなものを他局でやっているのではなく、もう少し独創性。スポーツ選手でも何でも会社でも人でもそうだが、本当に過去に成功している人ってどこか独創性がある」と述べ、「必ずそう。スティーブ・ジョブズ、Apple社の彼もそう。もう上を選ぶ、まずそういうものを置いておくものではないし、ひとつ体の一部としてという信念・理念を持ってやってきたから成功している。本田宗一郎さんもそうだった。成功している人は本当に自分なりの独創性というものを貫いている」と独創性を持つ必要性を唱えた小西氏。

最後に、久代アナウンサーのファッションチェックもしていただくことに。
小西氏は「洋服が似合っていない」とし、「着慣れていないというのかな。もっと多分無難無難でいくのではなく、様々なものに挑戦していき、発見していった方が良いような気がする」と久代アナウンサーのファッションについて評価した。
久代アナウンサーは、「割と無難なものをチョイスしてきた」と普段の服装よりも少し大人しめの服装を選んだとのこと。
小西氏は「間違ってはいないのだけど。もっと様々なものを着て、自分の考えなどを入れていって良いような気がする」とアドバイスした。
「結構、私服は攻めている」という久代アナウンサーに対し、「久代さんが出社してきた時に誰か気づかなかった時があって」と渡辺アナウンサーが明かした。
その一方で、「でもアナウンサーはこうでなければいけないと思ってしまう」とアナウンサーという職業柄そのような意識が働いてしまうと述べた久代アナウンサーに対し、「それ、概念。中途半端な。何か訳の分からない中途半端な勘違い概念を持っている」と厳しい一言。
小西氏の辛口評価に「アナウンサーに厳しい」と述べた吉田氏に対し、「僕もそうやって生きていっている。そういうふうに生きないと先がないと思う。僕も自分には厳しい」とし、小西氏は「首が太いのに蝶ネクタイして。結構朝からキツイ」とスタジオを和ませた。
ファッション界だけでなく、テレビ業界にとっても貴重なメッセージ、金言をいただき、今回の対談は締めくくられた。


GUEST
ドン小西 / ファッションデザイナー
1950年三重県生まれ 81年に自身のブランド「FICCE」を立ち上げる
2000年から「とくダネ!」に出演、ドン小西を名乗り、様々な媒体でのファッションチェックで活躍。長野・シドニー五輪の日本選手団公式ユニフォーム選考委員などを歴任。

COMMENTATOR
吉田 潮 / ライター・イラストレーター
 
 
 

<< >>
OPINIONS 番組に関するご意見募集中 twitterでつぶやく
<< 2018年03月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

ARCHIVES 過去の記事アーカイブARCHIVES 過去の記事アーカイブ