新・週刊フジテレビ批評

The 批評対談

オリジナル脚本&美男美女そろい踏み “冬ドラマ”徹底批評!

DATE : 2018.02.03(土)

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各局およそ30の“冬ドラマ"が始まった。そこで恒例、ライター・スポーツ誌記者・ドラマ解説者、3人のドラマウォッチャーに集まってもらい、冬ドラマについて徹底放談。ドラマウォッチャーたちは、今期のドラマをどう見ているのか。

「日刊スポーツ」誌のWEBサイトで、芸能コラム「梅ちゃんねる」を担当している、芸能記者の梅田恵子氏。
週刊新潮で「TVふうーん録」を連載している、ライターの吉田潮氏。

最初に、ドラマ解説者・木村隆志氏は、「今期は20代の主演俳優が多くて、前期の秋から比べると平均で10歳ほど若返っており、必然的に美男美女が揃っている。一方の物語は、若手俳優を支えるべくオリジナル物語が多い。それをベテラン脚本家さんや力のある方々が書いているので、その両輪が揃った力作揃い」と冬ドラマについて分析。

冬ドラマ、各局の主なラインナップは次の通り。(カッコ内は主演)
フジテレビ〜「海月姫」(芳根京子)、「FINAL CUT」(亀梨和也)、「隣の家族は青く見える」(深田恭子/松山ケンイチ)、「家族の旅路」(滝沢秀明)ほか。
日本テレビ〜「anone」(広瀬すず)、「もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜」(山田涼介/波瑠)ほか。
テレビ朝日〜「相棒season16」(水谷豊)、「科捜研の女season17」(榊真理子)とお馴染みのラインナップが並ぶ中、「BG 身辺警護人」(木村拓哉)ほか。
TBS〜「きみが心に棲みついた」(吉岡里帆/桐谷健太)、「アンナチュラル」(石原さとみ)、「99.9−刑事専門弁護士−SEASONU」(松本潤)ほか。

その中で3人が選んだおすすめドラマに、今回はフジテレビの作品も入った。
木村氏は「海月姫」(フジテレビ)。
梅田氏は「アンナチュラル」(TBS)、「もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜」(日本テレビ)。
吉田氏は「きみが心に棲みついた」(TBS)、「ラブラブエイリアン2」(フジテレビ)を挙げた。

木村氏のおすすめ、月9「海月姫」(フジテレビ)について、木村氏は「忖度なしでこれ1本。久しぶりに月9を挙げた」とコメントし、「一見ドタバタしたコメディと思われがちなのだが、実際はラブストーリーがしっかりしている。三角関係とシンデレラストーリー。若者に分かりやすいシンプルな構成で、かつ漫画原作で映画版もあったのだが、きちんと連ドラ版に落とし込んでいる。それは、石川淳一監督がしっかりと作り込んでいて、メリハリが効いている。落ちるところは落ちてというところで、しっかりとした物語になっている」と絶賛。
また、「視聴率は悪いが、“視聴熱"は高い。ネットの動き。若者中心の物語と思われがちなところもあるが、実際の視聴熱は今期でもトップクラス。視聴率を稼げるのかという課題はあるにしろ、月9はこういう物語を作ってほしいなと思った」と木村氏。
視聴熱とは、「ザテレビジョン」がSNSや独自調査を集計し、番組などの注目度を数値化しているもの。
梅田氏は「ここ数年の月9の中では、まともに作ってあって見やすい。私は尼ーずの集団のドタバタ感などが少し好みではないので挙げなかったが、ただ作品としては適材適所で話もまとまっていて、三角関係もしっかりあり、本当に見やすいと思う」とコメント。
一方、吉田氏は「今これをやる意味が全く分からない」と指摘し、「いろいろ背景に複雑なものがあったらしいが、今この時代にオタク女子の生態をコケにするのが本当に受け入れられるかどうかなど。尼ーずの皆さんが同じように見えてしまって、演じ分けなどもできていない。瀬戸康史さんの女装を楽しむ、要潤さんを楽しむなど、様々な見方はあるが、私の中では全然ヒットしない感じ」と苦言を呈した。

梅田氏のおすすめドラマ「アンナチュラル」(TBS)。
梅田氏は「今期No.1、本当に」と絶賛し、「逃げるは恥だが役に立つ」や「重版出来!」の脚本家である野木亜紀子さんについて、「前向きでひたむきな女性を描くのが上手い脚本家の方がいよいよ満を持してオリジナルを作ってきたが、期待通りの面白さ。ヒロインも素敵で、とにかくメンタルがスッキリと自立していて素敵な女性。法医学ミステリーというジャンルなのだが、もう展開に次ぐ展開で、その中にきちんと人間ドラマがあって、毎回見応えがすごい。石原さとみさんもこういう作品は合うなと。理系女子をしっかり演じていて、テンポの良い会話劇や主人公の独創性など、海外ドラマの味わいがある。大変な見応えで、イチオシ」とこのドラマの魅力について語った。
吉田氏も「挙げてはいないが『アンナチュラル』は面白いなと思っていて、石原さとみさんと市川実日子さんのコンビがまた良い。あのセリフの応酬は気持ちが良いものがある」と絶賛。
梅田氏は井浦新について「格好良い」とコメントし、「あの態度の悪さが素晴らしいキャラクターで、井浦新さんってこんなに格好良かったかなと。出演者を格好良く見せることは、作家の力、作家性だと思うし、本当に格好良い。素敵」と高評価。吉田氏も「井浦新の新たな格好良さ」と評価した。
井浦新については、梅田氏と吉田氏の話が尽きる様子はない。
一方、木村氏は「アンナチュラル」について、「質としては高いと思うが、ひとつ僕が言いたいのは、野木亜紀子さん。先程梅田さんが言ったが、人間ドラマを描くのが上手い方。だが、今作はミステリー寄り。人間ドラマが十分描けないようなシステムの作品を描いている。一話完結の事件問題解決ものという、今期の中でも半分ほどを占める、その中のものを野木さんがやらなくて良いだろうと。視聴率を取るためにはそういうロジックもあるだろうというところで、ドラマ業界の悩み、抱えているものが少し見えてしまう。質は高い」と脚本家の良さが生かされていない状況に苦言を呈した。

続いての梅田氏のおすすめドラマは「もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜」(日本テレビ)。
「面白い。バカバカしいというか、くだらないと言われてしまったらそれまでだが、主演の山田涼介さんが本当にほぼほぼ8割ほど顔面力と。よく演じていて、心の声なども」と主演の山田涼介さんの演技の素晴らしさを絶賛。
「普段は心の声を多用するドラマはあまり好きではないのだが、金子茂樹さんの脚本は空回りする男の人のセリフを描くと本当に面白い。だからその世界観をあの顔面力と心の声の上手さでガンガン。主演俳優が作家の作品性をグイグイ引っ張ってくれるドラマは、私大好きなので。不思議とバカバカしいのだが、ホームドラマとしてしっかりまとまっている。意外と泣けたりもして、これは快作だな。様々な意味での快作なのだが、本当に大笑いできる。ゲラゲラ笑っている」とおすすめの理由について述べた。
山中アナも執事見習い役の千葉雄大とのやり取りが面白いと述べ、「元気になれるものだなと思って、毎週楽しみにしている」とコメントし、梅田氏も共感した。
吉田氏は「私も笑っている。笑って見ているが、末っ子の承認欲求のような家族問題の方にクローズアップして見ると、少し面白いかなという気はする。一言で言ってしまうと、職権濫用する金持ちの道楽のような話。でも、コメディとしては完成度が高いので、笑って見ている」と評価した。
木村氏は「警察官・弁護士・医者という、連ドラ三大職業を集めて、でも全然それを使わない無茶苦茶な作品。バカにしたような作品。ただ、キャラクター自体は面白いものがあって、女性ウケは良い」とした上で、梅田氏と吉田氏と山中アナの女性3人がおすすめしたことを受け、「潔い姿勢は、土曜夜10時の枠にハマっていて有りなのだろうなと思う」と述べた一方で、「僕はあまり好きではない」とコメントした。

吉田氏のおすすめドラマは「きみが心に棲みついた」(TBS)。
「きみ棲み」について、吉田氏は「サイコパス」と一言。
「今期は美男美女ももちろんだが、サイコパスだらけ。サイコパス祭りと私は呼んでいるのだが、その中でも一番心をざわつかせるサイコパスが向井理さん演じるエリート。物語が面白いなど、気になるというよりも、ざわつかせるという意味で今回は挙げた」とおすすめの理由を述べた。
一方、梅田氏は「私にとっては、今期ワーストかなと思ってしまう」と吉田氏と意見が割れてしまった。
梅田氏は「私はありのままなど、自然体、努力すれば夢は叶うなど、そっち系のヒロインが得意ではないので、少し今ひとつ」とした上で、「向井さんがDVのようなキャラクターを演じているが、どうも私には振り付け通りのDV男のように見えてしまって。向井さんの演技が話題だが、脇よりも主役、ヒロインが魅力的に見えないと私のドラマ感としては少ししんどいかなと思ってしまった」と苦言を呈した。
木村氏は、向井理さん演じる星名漣というキャラクターについて、「昨年放送の『あなたのことはそれほど』という同じ枠のドラマがあるが、あちらの怖さと比べてこちらの方は静かな怖さ。今回のは分かりやすいステレオタイプのものなので、ホラー、逆に笑ってしまうような感じがあって、そういう楽しみ方を僕はしている」と木村氏自身の見方を述べた上で、「好き嫌いが極端に分かれるドラマ」と分析した。

続いての吉田氏のおすすめドラマは「ラブラブエイリアン2」(フジテレビ)。
月曜日の夜24時55分の深夜の時間帯の放送だが、「女子たちの本音、男子の本音、どっちもセリフにきちんと入っている。要は、女の子たちの家に小さな宇宙人が来て、真っ当なことを言うドラマなのだが、暴言だらけ。しかも、10分足らずの短編を2本やる形で、暴言のやり逃げ。でもそれが心地が良くて、月曜の夜にこれを見たら、今週1週間頑張ろうと思える清々しい」と絶賛。吉田氏は「フジテレビのイチオシがこれ」と評価した。
木村氏も「面白い。僕は大ファン」とした上で、「2になってしまうほどだから」と高評価。
また、「宇宙人の口調を借りて何でも言いたいことを言おうというドラマのテイストなのだが、さすがに月9は無理でも11時台にドラマ枠を作ったら見るよねと思ってしまうほど、カズさんにも見てほしい」と深夜枠ではなく、もう少し早い時間帯での放送を望み、渡辺アナにもおすすめした木村氏。出演者も美女揃いのドラマである。

ここからは、「新・週刊フジテレビ批評」のドラマウォッチャーの久代アナも参加。
久代アナのおすすめドラマは、「きみが心に棲みついた」(TBS)、「トドメの接吻」(日本テレビ)、「ホリデイラブ」(テレビ朝日)。
久代アナは「きみ棲み」に関して、「吉田さんも言っていたように、向井理さんのサイコパスっぷり」と吉田氏の意見に共感。
さらに、「『トドメの接吻』の山ア賢人さんのクズ男っぷり。『ホリデイラブ』の不倫のドロドロっぷり。刺激三点盛りで」と久代アナならではの視点で評価を述べた。
木村氏から「クズ好き」と言われた久代アナだったが、プライベートで特に何かあった訳ではなく、「この冬はそういうモードになった。漫画原作の非日常のようなものがきている」とコメントした。
「ホリデイラブ」についても、「まだそんなに回数はやっていないのだが、不倫が不倫を呼びそうな、この上ないドロドロを感じ取って、ワクワクしながら見ている」と述べた久代アナに対して、「この『ホリデイラブ』より、久代さんのセレクトが気になってしまって、闇を感じる」と木村氏は述べた。
「そんなことはない」とした久代アナは「海月姫」も楽しく見ているとコメントしたが、
吉田氏からは「取って付けた感が」と指摘が。

一方、「きみが心に棲みついた」に関しては、吉田氏と久代アナは共通しており、「サイコパスが気になっている。絶対大きな組織には一人、二人いる。猟奇的な殺人鬼ではなく、人の心を支配するという人。ああいう人に魅力というよりかは、何とかして社会的制裁を加えたいと私は思ってしまう」と吉田氏ならではの視点で述べた。
久代アナも「何か背景に事情をふまえていそうな伏線も出てきているので、どうなるのだろう?と」と今後の展開について期待を述べた。

梅田氏は、「ホリデイラブ」は面白いとした上で、「また不倫モノかと思って見たのだが、不倫される妻側からの視点は結構斬新で。金曜ナイトドラマ枠の良い感じのB級感が良い。仲里依紗さんも修羅場感を演じていて。なかなか私も最後まできっちり見ようかなと思っている」と新たな視点での不倫モノのドラマについて述べた。
久代アナのおすすめの「きみが心に棲みついた」「トドメの接吻」に関しては、「私はピンとこなかった」と述べた上で、「久代さんのチョイスは面白い」とコメントした。

ここからは、その他のフジテレビのドラマについて。
火曜日夜9時から放送の「FINAL CUT」について、木村氏は「僕は、去年この『新・週刊フジテレビ批評』で、4作連続で全部関テレのここの枠をおすすめに出していたのだが、今期は出せない」と苦言を呈した。
リベンジものであるドラマに関して、「1年前はちょうど草g剛さんが『嘘の戦争』をやった。『嘘の戦争』と違うのは、復讐する相手があるテレビ番組のスタッフで、スケールが少し小さい」とし、「あとは、『FINAL CUT』という方法にこだわっているので、結局やっていることは盗撮に終始してやっているので、そこで難しさがある。もう1個が、一話一話で制裁をしていかないので、溜飲が下がらないというのを感じてしまう。リベンジものにしては、スカッとしていかない矛盾を抱えてしまう仕組みになっている」とリベンジものならではの難しさを指摘した木村氏。
ドラマ枠としては、評価を着々と上げているイメージの枠だが、木村氏は「今回も攻めている。テレビ局の身内を切るような。情報番組をやっているとドキッとしてしまう」とコメントした。
梅田氏も「『嘘の戦争』や『銭の戦争』などの一環として見ていると、少し物足りないかなと。前の2つがスゴテク、バカテクを駆使して、ものすごい攻め方をしていく。今回は盗撮をしているだけという、味わい、見応えの上でどうなのだろうと。カタルシスが得にくいところがある」と分析した上で、「メディアの情報番組側の人たちの描くべきクズさというのがデフォルメしすぎ、少し滅茶苦茶な描き方をしていて、同じメディアの人間からすると平常心で見られない辛さが押し寄せてくる」とメディアに関わる人間だからこその視点で指摘。
吉田氏も「今期ワースト」と厳しい評価。
「まず復讐がしょぼい。ひとつの番組のスタッフでずっとくる、一人一人制裁をと。それがしょぼいし、そもそも人権侵害レベルの報道をする番組というところも微妙だし、もうこれ以上斜陽産業のテレビをいじめないでと。自虐にも程がある」と指摘した吉田氏。
吉田氏は、最初に「FINAL CUT」はフジテレビが制作したドラマだと思ったとのことで、「関テレは復讐モノ、面白くて優秀な作品を作る。今回はフジテレビかと思ってしまったほど」と期待外れであると同時に残念だと苦言を呈した。
久代アナも「残念ながら同じ意見」と述べ、「復讐をしているのが、しかも警察官というのが。盗撮して、復讐して、警察官ってなんでやねんとなってしまって」と指摘した。

続いて、木曜日夜10時から放送の「隣の家族は青く見える」について、梅田氏は「本当に不妊治療というデリケートなテーマに挑戦していて、深キョンと松山ケンイチさんも本当に良い感じで演じて取り組んでいる」と評価した上で、「だからこそいろいろとおしゃれ集合住宅の皆さんの群像劇のひとつに埋もれさせてしまっているのがものすごくもったいないなと思う。いろいろ手を広げ過ぎて、どこの層にも響かないような感じになってしまっている。私はこの2人、妊活に頑張って手を取り合っていく夫婦の泣き笑いというのをしっかり見届けたかったなと思うので、少し残念」と分析。
吉田氏は「ネットのサイトで『ガールズちゃんねる』というのがあり、それにトピックとして挙がってくるものばかりをギュッと詰め込んだような。少し詰め込み過ぎて、ひとつひとつを丁寧に描かないまま、上っ面だけ入れた感じがして、もったいないなと思っている」と分析した。
吉田氏は今後も見るとした上で、「でも、妊活中の人がこれを見て、『うんうん』と言えるかどうかという部分が少し厳しいかなとは思う」と指摘。
木村氏は「梅田さんの意見に大筋似ているが、様々なカップルの形を描くことで、ものすごい良いテーマの不妊治療が浮いてしまっている、薄くなってしまっている」とした上で、「これは、前期『コウノドリ』というドラマがあったが、あれは妊娠・出産に関しては本当に集中をして、明暗をしっかり描いていた。今回は他の違うところを描いてしまっているので、価値観、共感を得られないような仕組みになってしまっているのがもったいない。この辺りはプロデューサーの舵取りひとつだと思うので、難しいが、もっとチャレンジして良いテーマではないかと思う」と分析した。
様々な方が関心を示すジャンルのテーマである不妊治療を扱ったこのドラマに関して、「深掘りできた。でも今のところまだ見られない」と木村氏は述べた。

次に、広瀬すずさん主演の「anone」(日本テレビ)については、「これは有名な脚本家の坂元裕二さんの作品で、『Woman』と『Mother』と三部作なのだが、どんどんややこしくなっていて。去年の『カルテット』という作品もジャンルやテーマが何か分からない作品だった。今回もそうで、いまだに何だか分からない。これだけ見ている人でも分からないようなドラマを一般の方々がどう思っているのか、と思った時にネットでもそういうことを書かれている。坂元裕二さん、少し自流すぎるのではないかと。僕も思ってしまった。ネットの声と同じことを思ってしまった」と辛辣な意見を述べた木村氏。
しかし、「セリフなどはものすごく凝っていて、ポエムのよう。山中アナに朗読劇で読んでほしいような、セリフがすごい。哲学的だったりもして。そういうのを楽しむとしたら良くできている」とセリフへの評価を述べた一方で、「間口が狭いと思う」と指摘。
「anone」に関して、一般的な感じではないと感じている木村氏。
久代アナも「時間がある時にゆっくり見ようかなというドラマ」とコメント。
吉田氏は「少しファンタジーが強い。実際に取り上げている内容は、凶暴な現実。でも、それをファンタジーでフワッフワッと包んでいるので、見ていて掴み切れない状況。もう少し確固たるテーマがワッと出てくれば惹きつけられるのだが、今は五里霧中な感じ」であると指摘。
梅田氏も「好きな坂元裕二さんの作品ではあるのだが、少し既視感を感じるかなと。坂元脚本を表現できる俳優さんが限られてしまうのもあるのだと思うが、想定通りの上手い俳優さんが期待通りの上手い演技を見せてくれて、それが逆に既視感に繋がってしまうのかなと。せっかく今回話の中心に偽札製造や、それの争奪戦など、結構えげつない争いが展開していたりもして、新しい部分はある。むしろ私はそれのコメディ寄せにして、全然違う世界観で見てみたらグッと惹きこまれたかなということも感じる」とコメント。

一方、視聴率が好調である、木村拓哉主演の「BG 身辺警護人」(TBS)については、「あまり良いことは言わない、多分これは」と述べた木村氏。
「木村拓哉さんは、テレビ朝日さんのドラマは2作目なのだが、前作は『アイムホーム』で、中年男性が悩みながらも問題を抱えながら解決していくドラマだったのだが、等身大で良かった。でも、今回はBG、ボディーガードで、ものすごくスーパーな職業。昔やっていたレーサー、パイロット、アイスホッケーなど、The木村拓哉さんの格好良い役どころに戻ってしまったのが僕はもったいないなと思った。等身大の男性が演じられるようになっているのに、格好良い方に戻すのはファンには良いかもしれないけど、もっと役者として。僕も大好きな人なので」と木村拓哉さんの役どころについて示唆した木村氏。
吉田氏も「初回は少し違う方向にいくのかな?と思ったが、『木村拓哉の作品』という感じが全面に出ている」と分析した上で、「斎藤工さんがどう対立していくのかなど、やたら突っかかる江口洋介さん何なの?と思いながらも、その辺は見守っていこうかなとは思っている」と錚々たるキャスト陣が揃うこのドラマについて述べた。

また、松本潤主演の「99.9−刑事専門弁護士−SEASONU」(TBS)については、梅田氏は視聴率が良い一方で、ドラマの世界観について、「話が進まない。様々なガヤ担当。とにかく出演者が多い。そこがいろいろギャグを言ったり、ダジャレを言ったりというキャラクタードラマ。その部分が前半ずっと続くので、全然話進まないなと思ってしまって。それはどうなのだろう?と。ようやく見つけた99.9%を覆す真実というのが今ひとつ。警察こんなこと絶対気づくよねという、少し緩さがある。そういう意味では『名探偵コナン』の方が見つけてくる真実はもっと深いかなと。そこのところの食い足りなさを感じてしまうので、もう少しタイトルに相応しい、見応えある新事実をお願いしたい」と指摘した。
吉田氏は「小ネタがウザイ」と厳しい評価を述べた。
しかし、香川照之が好きな吉田氏は「彼の矮小な姿を見るためだけに見ている」とコメントした。
木村氏は「日曜劇場は続編をやらない枠だった」とした上で、「毎回毎回しっかり作っているのだが、これを作ってしまったことに僕はショックを受けている。しかも一話完結モノ、事件モノというところで、テレビ朝日さん的なドラマをこの枠でやらないでほしいと思っていたので、ショックを受けており、小ネタに走っている分、事件の解決への糸口の辺りが薄いなと思っている」と辛辣な意見を述べた。
久代アナも「一応つけてはいるが、内容が入ってこないから結局見ていない。私の中では全然見ずに終わってしまうドラマ」と述べ、「もうそろそろフェードアウトしてしまうかなと。でも数字が良いから見た方が良いのかなと思いつつ、見ていない」と述べた。
日曜劇場というドラマ枠について、「力がある枠なので、視聴率を取りにいかないでほしいと思ってしまう」と述べた木村氏。
月9を中心にフジテレビドラマに「頑張ってほしい」と述べた木村氏は、「皆で見て視聴率を上げてほしい」と視聴熱が高いドラマがある一方で、視聴率が伸び悩んでいる現状を示唆した。
若手俳優を支えるべくオリジナル脚本を実力派脚本家が書いている力作揃いの冬ドラマ、それぞれのテーマの方向性や描き方について、ドラマウォッチャーからは様々な意見が出される結果となった。


GUEST
梅田恵子 / 日刊スポーツ芸能担当記者

吉田 潮 / ライター・イラストレーター

COMMENTATOR
木村隆志  / ドラマ解説者


 

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