新・週刊フジテレビ批評

ハテナTV

フジテレビにはどんなスタジオがあるの?

DATE : 2016.05.28(土)

CATEGORIES : | ハテナTV | 技術・美術 |



これまで4回にわたってお届けしてきた『テレビのギモン』シリーズ、その街頭調査で必ずといっていいほど挙がってくるのがテレビ局の「スタジオ」に関する疑問。そこで今回はフジテレビのスタジオについて取材した。

まずは今回、この『新・週刊フジテレビ批評』を収録しているスタジオから。ここは数多いスタジオの中で2番目に大きい『V5スタジオ』。今回の収録では、広いスタジオの一角にこじんまりとセットを組んでいるため、かなりスペースが空いている。このV5スタジオでは、音楽番組『Love music』や『とんねるずのみなさんのおかげでした』などのバラエティ番組、さらに『新報道2001』など、幅広いジャンルの番組の収録が行われている。

フジテレビのスタジオは主に本社社屋の3階にある。スタジオには番組のセットが直接搬入されるため、1階から3階まで搬入用の大きなスロープが設置されている。
スロープを上がり、入ってすぐの場所が美術倉庫。その奥にあるのが『V4スタジオ』、フジテレビで一番大きなスタジオだ。広さは何と約580畳!

テレビ番組がスタジオで収録、放送されるまでには多くの時間と手間がかかっている。朝からセットの建て込みが始まり、照明器具もセットされる。そして完成したスタジオセットで、制作スタッフやカメラマンによる入念なリハーサルをした上で本番となる。
毎日こうして様々な番組が使用するため、スタジオは常にフル稼働している。そのスケジュールを管理しているのが、フジテレビ内にある『スタジオデスク』。ここでは地上波、BS、CSのすべての番組が使用するスタジオスケジュールを管理。日程表を見ると1ヶ月先までスケジュールが埋まっている。制作スタッフは電話か、直接ここに来てスタジオの空き状況を確認する。電話では伝えきれない細かいニュアンスやリクエストは、直接スタジオデスクに伝えて調整・交渉する。

しかしスタジオの数は限られており、スタジオが足りない時には収録日をズラしてもらうなどの調整をする場合もある。毎日ギリギリの運用になっているため、スタジオを効率よく運用する工夫もある。それがデイリーの2番組を1つのスタジオで運用するという方法。
月曜から金曜の午前8:00〜9:50まで放送している『とくダネ!』、そして同じく月曜から金曜の午後1:45〜3:50までの生放送『直撃LIVEグッディ!』、この2つの番組は同じスタジオを使っている。しかし『とくダネ!』の放送終了から『グッディ!』の放送まではわずか4時間。一体どのように番組セットを入れ替えているのか?
@    『とくダネ!』の生放送終了後、カメラなどの機材を片付け、すぐに『グッディ!』用の床を敷く。
A    スタジオの隅に置いてある『グッディ!』のセットを前に出してセッティング。その他のパーツは美術倉庫から運び込む。
B    『グッディ!』のセットを建て込んでいくと同時に、『とくダネ!』のセットを解体。
C    『とくダネ!』や『グッディ!』のセットの主な部分は、効率的に入れ替えるため、スタジオの反対側に残す。
こうしてセットチェンジにかかった時間はたったの1時間。こういった工夫によって、1つのスタジオで2つの番組を効率よく運用できるのだ。

ところがフジテレビにはもっと多くの番組で使われているスタジオがある。それがCS放送専用の『VGスタジオ』で、いくつものCS番組が使用している。
取材当日は『F1グランプリニュース』の生放送があった。番組終了後、スタッフがセットの一部を外すと、何とその下から『プロ野球ニュース』のセットが現れた!
1時間半後には『プロ野球ニュース』の生放送があるこのスタジオは、4台の無人カメラがセットされており、スタジオ内にカメラマンはいない。別室で1人の制作スタッフが4台のコントローラーを駆使してカメラを操作するのだ。無人カメラは通常のカメラ同様、縦や横の動きに加え、ズーム機能もついている。
無人カメラについて、『プロ野球ニュース』に出演している野球解説者の高木豊氏は、「人が見えるとプレッシャーになるが、人がいないと自然体で我が家でやっている気分で、心の余裕を感じる。無人カメラも最初は冷たい感じもしたが、慣れると非常にシステマチックでやりやすい」と語った。

さらにVGスタジオよりも狭いスタジオがフジテレビ報道センターにある。それが『VFスタジオ』で、毎日最新ニュースを生放送で伝えるBSのショートニュース『BSフジニュース』で使用している。広さはほぼ4畳半1間で、スタジオというよりもほとんど部屋。
スタジオにはスタッフが1人もおらず、ニュースを読む久代アナだけ。マイクも自分でつけ、手元の原稿をモニターに映し出すプロンプターという機械の調節も自分で行う。1人で準備を済ませ、いざ本番! 生放送中は1人しかいないスタジオで淡々とニュース原稿を読んでいく。本当に時間がない時は最優先でマイク、そしてイヤホンを付け、モニター調整はせずに手元の原稿だけを見て生放送を行うこともある、という久代アナ。「何を最優先にするかというのも、1人だけなので判断しながらやっている」と語っていた。

報道センターには報道番組専用の大きな『V9スタジオ』もある。朝の『めざましテレビ』に始まり、昼の『FNNスピーク』、夕方の『みんなのニュース』、夜の『ユアタイム〜あなたの時間〜』まで、すべてこのV9スタジオから放送している。
ここが他のスタジオと違うのは、報道センターと隣接していること。ガラス1枚隔てただけなので、番組中でもすぐに新しい情報を報じることができるのだ。
『みんなのニュース』の立石修チーフプロデューサーは、「V9スタジオはフジテレビの中でも非常に珍しい位置にある。ニュース専用スタジオなのでバラエティやドラマなどで使用することはなく、またすべてが生放送対応になっている。『みんなのニュース』は3時間番組だが、その瞬間瞬間にどんどん物事が変わってくる。その都度、出演者たちに向けて新しい情報をダイレクトに入れていくことができる。この距離感が非常に大切で、生放送用に特化したスタジオである」とそのメリットを語った。

平日朝4:00から放送の『めざましテレビアクア』を放送しているのが、フジテレビのシンボル的存在となっている球体の下半分にあるスタジオ。ここは『めざまスカイ』と呼ばれており、使っていない時には一般の人も見学できる。
そして上半分は『はちたま』と呼ばれ、ここも一般の人が見学できるスペースとなっている。この『はちたま』は音楽番組などの特別番組の時に、特設スタジオとしても使用される。

最後に紹介するのが、2階タレントクロークにある『フォトスタジオ』。楽屋やメイク室などが並ぶ廊下の端にあり、番組ではなく、スチール写真撮影用のスタジオだ。番組の宣伝写真やアナウンサーのプロフィール写真なども撮影する。フジテレビの制作スタッフでも知っている人は少ないスタジオだ。

他にフジテレビ本社から徒歩15分の場所にある建物が『湾岸スタジオ』。収録番組専門のスタジオで、主に収録に時間がかかるバラエティ番組や、ドラマなどに使用されている。フジテレビにはこれら、大小合わせて23個のスタジオがあり、毎日目いっぱいフル稼働して番組を収録、放送しているのだった。



コメンテーターの松野良一氏は、
「海外から来たテレビ局関係者は、日本のテレビ局の大きさとスタジオの数の多さに驚く。海外ではニュースと情報番組以外は全部外のプロダクションに出しているのだが、改めて日本のテレビ局がかなり大きいということを確認した」とコメントした。

同じくコメンテーターの江川紹子氏は、
「球体の下にスタジオがあるとは知らなかった。本当にいろいろなスタジオがあり、セットの入れ替えなどいろいろな人が動いていることにも驚いた。無人カメラなどデジタル化されていても、やはりアナウンサーは紙を持って読んでいる。そういった変わらない物との差も面白いと思った」とコメントした。

 

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