新・週刊フジテレビ批評

The 批評対談

子供アニメの今と未来

DATE : 2015.08.15(土)

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『ドラゴンボール』『ワンピース』など、子供たちに変わらぬ人気を誇るアニメ番組。フジテレビで様々なヒット番組をプロデュースしてきた、フジテレビ総合開発局の清水賢治局長を迎え、アニメ番組の現状と今後求められる子供アニメについて聞いた。

「アニメ制作で一番気を付けなければならないことは、子供向けだと思わないこと。子供向けに“子供だまし"に作るのは一番嫌われる。また、奇をてらわずストレートに、シンプルで面白い物を考えること。この二点が一番大切なことだと思う」と語る清水氏。彼が手掛けたフジテレビの看板アニメ『ドラゴンボール』『ワンピース』は、日本のテレビが世界に誇るキラーコンテンツとして、今も世界八十カ国で数十年にわたって人気を博している。
「『ドラゴンボール』は原作の第1話を読んだ時から本当に面白かった。週刊雑誌なので最初からずっと読み続け、その都度すぐに編集者に感想を伝えることをいつも心がけていた」と振り返る清水氏は、“読者の立場"で参加することの大切さを訴えた。
『ドラゴンボール』制作時の苦労について尋ねると、「原作で最も特徴的なのは展開が非常に速いこと。強力な敵キャラが出てきても、バッと1コマでやられてしまう時がある。当時で言えばジェットコースター・ムービー的で、どれだけそのスピード感を持ってアクションがキチッとできるかというのが非常に難しかった」と述べた。
かつては夜7時台のゴールデンタイムや週末の6時台がアニメ放送の舞台だったが、現在では日曜の朝にシフトしている。その理由について清水氏は、「大きな要因は少子化と子供たちのライフスタイルの変化。子供の数が減ったために、当時の視聴率も下がってしまったことに加えて、特に大都市圏では塾通いのため、7時台に子供たちは家にいなくなってしまった」と説明した。
日曜朝へのシフトはまずテレビ朝日が先行し、フジテレビはそれに続く形だったが、「このシフトのタイミングは必然的だった。アニメ自体をなくすという選択肢もあった中で、移動して継続できたのは良かった」と述べる清水氏。
さらに劇場版アニメのヒットに関連して、「子供から大人まで幅広い層を引き込むだけの、コンテンツとしての力は確実にある。それをキチンとした形で送り出していくことが必要だ。現状、地上波テレビの枠では厳しいので、劇場版として映画館での興行や、海外マーケットの活用などでコンテンツビジネスとして成立させられる」と持論を展開した。また海外配信の伸びについても、「中国市場の成長が大きい。制作費のほとんどを海外配信で回収できるほどになっている」と述べた。
最後に清水氏は、子供たちだけでなく、より広い層にファンを拡大するための方策について、「やはり地上波テレビの役割が大きい。デジタル放送化により可能となったサブチャンネルを活用してアニメを放送するなどして、地上波の枠内でもより多くの視聴者に観てもらえるように、様々な工夫・手段を考えていくことが大事だと思う」と締めくくった。


GUEST
清水賢治 フジテレビ総合開発局局長
1961年生まれ、83年フジテレビ入社。編成局編成部に配属され、ドラマ・アニメ担当として多数の企画をプロデュース。その後、国際局、映画事業局、スカパー出向などを経て、2012年よりメディア推進局長、13年より総合開発局長、14年に執行役員 総合開発局長。

COMMENTATOR
明治大 藤本由香里(ふじもと ゆかり)教授

 

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