新・週刊フジテレビ批評

クリティックトーク

春のドラマ批評 ヒット作に見えた新戦略

DATE : 2013.06.08(土)

CATEGORIES : | Critique TALK |

コラムニストでドラマ評論家の木村隆志氏は、まず、今期ドラマの注目策について「水曜9時から放送の家族ゲームと雲の階段が見応えがある。フジ『家族ゲーム』は前評判では懐疑的な見方もあったが、桜井翔の演技の迫真性がそれを打ち破った。いじめ描写もここまでやらないと伝わらないというところまで追及している。日テレ『雲の階段は』今は少なくなった大人の視聴に耐えるドラマで、渡辺淳一原作ということもあり、人間の真相心理に迫るものになり見応えがあった。」と両作品を評価した
また、NHK『あまちゃん』については『純と愛』がエキセントリックな内容で批判もあったが、今回シフトして家族揃って見られる朝ドラ路線に戻り、見やすくなった」とした。
今期ドラマの傾向については「大きく分けて二つある。一つが女性の視聴者を意識したドラマ作り。もう一つが刑事ドラマ、事件解決型のドラマが多いこと」とした上で、女性層を意識したドラマついて、「今回のドラマの顕著な傾向は男性の裸を見せるということ。もはやトレンドで、はっきり打ち出している。これは今年の初め、NHKの『八重の桜』で、西島秀俊の入浴シーンが女性誌をはじめとして話題になり、それに各局が影響された。
フジ『家族ゲーム』では桜井翔のサウナのシーン テレビ朝日『ダブルス』では刑事ドラマでありながら必ず刑事二人のシャワーシーンが出てくる。水戸黄門で言うところの由美かおるだ」と指摘した。
事件解決がドラマについては「今期のドラマでは4割以上が事件解決型。いろんな型があるが安定したファンがいる強みがあり、ポスト相棒をさがそうという意識が各局にある。
特にテレビ朝日は、全部が事件解決型ドラマになっている。」分析した。
そしてネット時代のドラマの見方については「新しい動きがある。ソーシャルネット時代になり、ツイッターをしながらドラマを見たり、掲示板に書き込みして皆でチャットしながらドラマを見るようになった。ガリレオなら皆でトリックを予想しながら見る。それが当たり前になっている。一人で見るのも寂しいというのがある」と解説。対する制作側の意図には「制作サイドも意識してクチコミを生むようなドラマをいかに作るか、そこからいかに視聴率に還元させるか、という流れができている。キャッチーなコンセプトとキーワードを作り、クチコミにする、それが拡散して、一回見てみようかという流れになる。そこまで想定して作っている。『35歳の高校生』では、スクールカーストや便所飯といった思わず書き込みたくなるようなキーワードを入れて、そこから派生する流れを作っている。現在のドラマの問題点としては、「あまりに一話完結にシフトしすぎていて、大人がじっくり楽しめるようなものが減ってきた。かつて2クールもやっていた『白い巨塔』のようなものがあってもいい」と締めくくった。


■ゲスト
木村隆志(きむらたかし)
■プロフィール
コラムニスト、ドラマ評論家、タレントインタビュアー。
80年代から現在までドラマ全作品を視聴するテレビウォッチャー。ライターとして撮影現場への取材や、キャストへのインタビューも行う
『ニフティ』や『ヨミウリオンライン』などで連載コラムを持ち、『マイナビニュース』の"ドラマ初回放送ガチ採点コラム"は名物コラムとして人気。
ドラマ評論家として、テレビ・ラジオ・雑誌・ウェブなどの各メディアで新旧ドラマの情報やコメント記事を寄稿している。
タレント専門インタビュアーでもあり、取材歴は1000人を超える。その他、NPO法人『企画のたまご屋さん』で出版プロデューサーとしても活動中。

著書『トップ・インタビュアーの聴き技84』『好感度がアップする プラスひと言会話表現605』

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