2010年10月16日(土)放送
内田氏は、「サイエンスコミュニケーター」という仕事について、「科学を社会に伝えることはもちろんだが、社会の側の考え方を科学者に伝えるという両方の意味合いがある。」と語った。コメンテーターの明治大・藤本由香里准教授は、「『ガンダム』に限らず、日本では二足歩行のロボットの開発が欧米より進んでいる。『鉄腕アトム』を見て育った日本人は、人間のようなロボットを作りたいという夢があり、ロボット工学を進ませている。」と話した。
内田氏は「"理科離れ"よりも"工学部離れ"が顕著。工学部を志望する学生が15年足らずの間に30万人以上減っている。また、"製造業離れ"も深刻で、工学部卒でもメーカーにではなく、銀行やコンサルティングなど文系に就職する人が増えていて、メーカーや行政も食い止めようとしている。」と話した。
番組内で募集したアンケートでは、「テレビは理科離れをくい止めることはできるか?」という質問に対して、「できる」と答えた人が70%、「できない」と答えた人が30%だった。この結果について、内田氏は「ここまで多いのは意外。テレビだからできる映像の世界は、私たちが分からないこともCGを使って表現できるので、科学をそのまま届けるのではなく加工したりして届けやすい形にできるのはテレビならでは。科学は素材として楽しいものがたくさんあるので、どん欲に利用してほしい。テレビや視聴者は科学者側に分かりやすい結論を求めがちだが、科学者側は分かりやすい結論を避ける傾向にある。その両方をお互いに分かって、新しい番組に反映できたらいいと思う。」と語った。コメンテーターの明治大・藤本由香里准教授は「ひとつひとつ積み重ねていくことが今は軽んじられているところがある。それが"理科離れ"につながっているんじゃないか。」と話した。
内田氏は「来年度から文部科学省が、高校生が科学の知識を競う『科学の甲子園』や大学生が研究成果を発表しあう『サイエンス・インカレ』をやる予定。これが『ロボコン』や『鳥人間コンテスト』のようなドキュメンタリーや、研究の成果を競う面に切り込んだ科学番組などいろんな面から取り上げることができる。そこにエンターテイメントの味付けをしてくれたら考える過程も楽しめるのではないか。」と語った。

ゲスト :
内田麻理香(ウチダ マリカ)
サイエンスコミュニケーター
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。現、同大学院学際情報学府博士課程在籍。東京大学工学部広報室特任教員を経て独立。
各種媒体を通じて科学を伝えるサイエンスコミュニケーターとして活動中。
著作に「科学との正しい付き合い方」など。



























