2015年11月26日

二人の英雄
 クラシコの華やかさも、世界レベルの美技もないかもしれない。しかしファンの間で密かに注目を浴びている試合がある。
今週末に行われる、ラス・パルマス対デポルティボ・ラコルーニャの一戦だ。ふたりのベテランの対決だ。ファン・カルロス・バレロンとマヌエル・パブロ。前者は40歳。後者も1月で40の大台に乗る。彼らは現在のリーガで最も有名なベテランたちである。
彼らは90年代に『スーペルデポル』とよばれた、デポルティボ・ラコルーニョの中心選手だった。90年代から2000年初頭までをこよなく愛するリーガのオールドファンにとっては、忘れられない存在である。今もピッチに立っているだけで驚きだ。

 バレロンは言う。
「マヌエル・パブロとの対決は楽しみだよ。僕らは何歳になっても、昔と同じような喜びをもってプレーしているんだ」
 ファンが待望するふたりのピッチ上での再会、その可能性はあまり高くはない。マヌエル・パブロは負傷明けで、バレロンには今季ほとんど出場時間がない。
しかしマヌエル・パブロが「バレロンはもっとプレーしたいと言っているけど、まあ仕方がないよね。それでもラスパルマスのチームメイトはみな彼のことを尊敬している」といえば、バレロンは「もちろん僕も彼もプレーはしたいけど、この状況を楽しんでもいる。まだプロでいられるというのは素晴らしいことだ」と状況を受け入れる。

 時を経て、ラスパルマスで再会するかつての英雄たち。試合後には、共に過ごした古き良き時代と、懐かしのスーペルデポルについてゆっくり語り合うのだろう。
 

2015年11月24日

初雪のベルリン
 
 例年になく暖かい秋だったドイツに、とうとう冬が到来しました。
22日のヘルタ対ホッフェンハイムは、前半に降り出した雪で、向こう側が見えないくらい。
何本もクラスを上げていた原口選手も「一本でも合えば良かったですけど、まあ難しかったですね。もう前は見えないですし、足場も悪いし」と言っていました。
 
 チームはこの日、1本も枠に飛んだシュートがなかったにも関わらず、相手のオウンゴールで1−0という不思議な勝ち方でしたが、「この勝利を恥ずかしく思う必要はない」とダルダイ監督。
なにしろ昨季残留競争をしていたチームが現在4位につけているのですから、文句は言わせないといった感じですよね。
 
 次節はアウェーでのバイエルン戦。「自分がどれだけ攻撃の部分でやれるのかを測れる、世界トップのチームなので、そういう差を感じてやりたい」と原口選手。ドルトムントもHSVに負けて、バイエルンにまた差がついてしまったので、どうにか独走を止めてほしいなあと思います。
 
 勝つのは難しいにしろ、フランクフルトのように0−0で抑えてくれないでしょうか。
 

2015年11月17日

DFBの決断
 17日のドイツ対オランダの親善試合を予定通り行うと、ドイツサッカー連盟(DFB)が発表しました。
会場になるハノーファーのスタジアムには、アンゲラ・メルケル首相も閣僚たちを引き連れて訪れ、「テロに屈しない」というシグナルを送るつもりだとか。イングランドとの親善試合を決行することにしたフランスに、連帯の気持ちを見せたいというのもあるようです。
 
 13日のフランスとの親善試合の前に、ホテルに爆弾を仕掛けたという脅迫電話が入って避難させられ、試合中には爆発音を2度聞き、試合後に一連のテロ事件について知らされたドイツ代表は、一晩をスタジアムで過ごして14日に帰国したばかり。
まだまだショックが消えない中、試合をしても大丈夫なのでしょうか……きっとトラウマになっている選手もいるだろうし、チケットを手放したい観客たちもいるだろうなと思います。
 

 バイエルンのジェローム・ボアテング選手は、ハーフタイムにロッカールームで、携帯電話に届いた家族からのメッセージを見て、テロ事件のことを知ったそうです。
スタジアムでは一睡もできず、今でもずっとその晩のことが頭から離れないとか。
17日のオランダ戦は、フランス戦で膝を傷めたために欠場するそうです。
 
 来年の欧州選手権フランス大会は大丈夫なのか?という心配の声も上がっていますが、テロはどこで起きてもおかしくないわけで……ということはブンデスリーガの試合も?
代表ウィーク明けの今週末、スタジアムへ行くのがちょっと怖くなりました。

2015年11月10日

ネグレドの苦悩
 選手がクラブ、あるいは監督から、いわゆる“干された”状態にされることは、どのリーグでも、どのチームでも起こりうることだ。契約問題、監督との不仲、あるいは問題行動を起こした・・・などなど、理由は様々だ。

 今、スペインはバレンシアでそんな苦い時を過ごしている選手がいる。アルバロ・ネグレドだ。
リーガとCLで6試合連続で招集外と、もう一ヶ月近くベンチ外にされている。彼を差し置いてCFに入っているのは19歳のサンティ・ミナだ。
ネグレドの場合、この問題のきっかけは、監督のヌーノとの衝突だった。この秋に行ったマルカ紙のインタビューでネグレドは「ゴールに遠い位置でプレーしている」と不満を述べ、それが指揮官を怒らせた。
 
 ネグレドを干す理由を問われたヌーノは「私はチームを助けようと日々の練習で努力する選手しか使わない」と語るのみで、具体的にネグレドとの間に問題があったとは認めていない。ネグレドが練習で覇気のないプレーを見せているのだろうか。かつてはスペイン代表のCFを争う存在だったが、ここ数年でパフォーマンスと評価は下がるばかり。ユーロ2016にむけて、スペイン代表の座をめぐるアタッカーの競争は激しいが、今では名前すらあがらない。恐らくはキャリアで最も辛い時期を、ネグレドは過ごしている

2015年11月10日

レヴィアダービー
 8日に行われた147回目のレヴィア・ダービーは、3−2と、ダービーにふさわしい結果で終わりました。
しかも、香川選手のヘディングが見られるなんて、貴重です。
ハーフタイムにプレス席から離れて、一般席でおじさん2人組に「今日の香川選手はどうですか?」と声をかけると、そのうちの一人がポケットからお財布を取り出しました。そして大切そうに見せてくれたものは……2010-11年シーズンの9月に、シャルケ・ホームで行われたダービーで掲示板に映し出された「3−1」というスコアを写真に収めたものでした。「シンジが初めてダービーで得点した時のだよ」と自慢げに話すおじさん。

 香川選手、相変わらず愛されていますね!
 
 シャルケとドルトムントがあるルール地方では、この日予定されていたアマチュア、草の根レベルの92試合のうち54試合が延期になったとか。「自分でプレーするよりもダービーを見たい」というので、人が集まらないからだそうです。
 9日、月曜日の職場での第一の話題がダービーになることは、絶対に間違いないでしょう。

 

2015年11月04日

スシボンバー
 久しぶりに「スシボンバー」なんていう言葉を聞きました。
10月31日に武藤選手がハットトリックを決めて、「日本人選手初では?いや、かつてスシボンバーもハットトリックを決めていた」という内容の記事がキッカー誌電子版で掲載されたのです。

 スシボンバーとはつまり、かつてHSVとフランクフルトでプレーした高原直泰選手のこと。
ハットトリックを決めたのは、2006ー2007年シーズンの、アーヘン戦(3−2)ででした。
いや〜懐かしいですね。

 武藤選手はマインツへ来てからリーグ戦わずか11試合でもう6得点。
アシストも3本決めています。「岡崎慎司を思い起こさせる」という言葉が最高の賛辞であるマインツで、「少なくともこの一日だけは、岡崎を忘れさせた」と言わせました。1シーズンでどこまで行けるのでしょうね。
 
 それにしても、高原選手に「スシボンバー」という愛称がついたのは、2000年代始めの頃に日本人選手がまだエキゾチックだったからに違いありません。
現在は1部ブンデスリーガの約半数のチームに日本人選手がいて、その存在が普通になっているので、そういう愛称は思いつかないだろうなと思います。

※なつかしの、HSV時代の高原選手。後ろから抱きついているのは、これまたなつかしのマハダビキア選手。

 
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