2016年03月04日

リーガ優勝争い
 スペインではバルサのリーガ優勝は事実上決定、といわれている。
 バルセロナの地元メディア、スポルト紙やムンド・デポルティーボ紙は当然のこと、マルカ紙やアス紙などマドリード本拠の媒体も「レアルもアトレティコもこのバルサには追いつけない」という論調で埋め尽くされている。
 バルサとの勝ち点差は開く一方だが、その理由のひとつは、苦手とする2月の克服にあった。
過去を振り返ると、バルサが2月に苦しんだ年は多く、同時期に落とした勝ち点は少なくない。一般的に2月というのはシーズン半ばを乗り越え、ちょうどフィジカルとメンタルが低迷する時期といわれる。事実、バルサだけでなくレアルマドリーも昨季はこの時期に苦しみ、多くのポイントを落としている。
前線のトリデンテ以外はメンバーを回しながらこの時期に挑んだルイス・エンリケにも称賛の声が上がる。通常ならこの3人も交代で休ませるものだが、彼はあくまでも3人だけは変えずに毎試合起用した。今年2月のバルサは7勝1分け。リーガ記録となる34試合無敗記録に並んでいる。
シーズンの最大の山場を最高の形で乗り越えたバルサ。焦点はいつタイトル獲得がきまるか、この一点だけだ

2016年02月16日

ネビルの次は・・・?
 期待を背負って就任したものの、最悪の状態から抜け出せないバレンシアのガリー・ネビル監督。
 
 
 1−0で敗れた前節ベティス戦後には、ネビルはチームバスの前でバレンシアサポーターに罵声を浴びせられ、警備員が周囲を固めたほど緊迫感は高まっている。試合中には「ピーター(・リム。オーナー)出て行け!」のコールも聞こえるなど、監督も幹部も選手も批判の嵐にさらされている。
 
 そんな中、予想外に平然とした態度を保っているのが、当の本人ネビルだ。
 
 彼は敗戦にも会見では時折笑顔までみせ「私は自分の仕事に自信を持っている。今日も負けるには値しなかった。チャンスを活かせなかっただけ」と語る図太さを見せた。このあたりは長年共にしたファーガソンに教わったことなのだろうか。ファーガソンのマンUは、ここまで負けることはなかったけれど・・・。
 
 そんな中、アス紙はすでに「ネビルの後任は誰が適任か?」というアンケートをとっている。その中では、マンチェスター・シティの監督を今季いっぱいで退任するマヌエル・ペジェグリーニが44、61%の票を集め、2位のラファ・ベニテス(40、34%)を上回る結果となっている。
 ペジェグリーニはバレンシアの隣町ビジャレアル時代の魅惑のサッカーが好印象を与えたようで、ベニテスに関しては復帰を望む声は今も多い。
 
 一方で「ネビル継続」としたのはたったの7、46%。これだけ結果が出ていないのだから、これも仕方がない。一部報道では、すでにクラブはベニテスとコンタクトをとった、とも言われる。さてネビルのバレンシア、シーズン終了まで持つだろうか。
 

2016年02月03日

ジダン体制で最も走るようになったのは・・・

 ジダンに変わり内容が見違えるように改善したレアルマドリー。特に選手個々の献身性や守備時の運動量増加には目を見張るものがある。
 ジダン自身が「選手たちの貢献に感謝しているし、いうことはない」と語るほど。それでは新生ジダン・マドリーにおいては、誰が一番走っているのか?
 
 通常であれば守備的MFやサイドバックが運動量は多いものだが、意外な結果がでている。天才MFとも言われる、イスコが平均走行距離で1番の数字を出しているからだ。
 
 大勝したエスパニョール戦では11キロを越す数値を叩き出した。これは他のMFを超えており、ベニテス時代とはまるで違うものだ。
 
 ジダンはマラガ時代のイスコに心酔し、レアルマドリーへの移籍を彼に直接説得したのは有名な話。イスコもジダンをアイドルのひとりとするなど、相思相愛の関係はイスコのパフォーマンスと数字にも確かにつながっている。
 
 ベニテス時代は出場機会に恵まれず、ユーロ2016のスペイン代表メンバー入りすら危ぶまれたイスコだが、現在は活き活きと躍動し攻撃陣をけん引しており、代表入りもまず間違いない。ジダン体制になり、ほっと胸をなでおろしたのは、誰よりもデルボスケかもしれない。

2016年01月28日

リーガの”国産”FWたちの現在
 今季のリーガの特徴の一つが、国産スペイン人FWの好不調がはっきりと分かれているということだ。
 
 まずは実績のある選手から見ていこう。バレンシアのネグレド、アトレティコのフェルナンド・トーレス、セビージャのフェルナンド・ジョレンテの3人は“失格組”だ。
 ネグレドはリーガでたった3点しかとっておらず、チームも中位に沈む。今季2点のトーレスはグリーズマン、ビエット、ジャクソン・マルティネスに次ぐチームFW4番手で、クラブは来夏に切れる契約を延長しないということをすでに伝えたという。セビージャのジョレンテもたった3点だ。3人でわずか8点しか取れていないのである。
 この3人は、スペイン代表でのキャップ数も実績もある(ネグレドは微妙だが)選手たち。しかしこのパフォーマンスを見ていると、来夏のユーロ2016メンバー入りはまず厳しいだろう。
 
 対照的に好調なのが、下記の4人だ。
まずはボルハ・バストン。現在リーガで14点を取っており、これはスペイン人トップ。おそらく、今季のリーガで最大のサプライズだ。圧倒的にフィジカルが強いわけでも、抜群のスピードを誇るわけでも、かといって足元に脅威のテクニックを秘めるわけでもない。ゴール嗅覚とタイミング、無理をしない判断の速さなどが、エイバルの中にピタリとはまっている。
 彼に続くのが、アドゥリス(アスレティック)、ルーカス・ペレス(デポル)、イマノル・アヒレチェ(レアル・ソシエダ)だ。
中でもアドゥリスは2月に35歳を迎える中で、素晴らしいパフォーマンスを披露。ルーカスとともに13点を決めるなど、チームの得点源になっている。アヒレチェは12得点。いずれも、失格組とは比べ物にならないほどの勢いが、彼らにはある。

 リーガでの好不調は、そのままユーロ2016のメンバー入りに直結する。アルカセル、モラータら、当確と言われるCFもいる。
後半戦で彼らの争いはどんな展開になるだろうか。
 

2016年01月19日

新指揮官

 ジダンが監督に就任してからというもの、見違えるように内容がよくなったレアルマドリー。運動量も増えるなど、選手の献身が随所に見られるようになった。選手の多くが、遠回しながらベニテスといい関係を築けていなかったことを匂わせている。クリスティアノ・ロナウドは「ジダンはチームを後押ししてくれた。監督には、親しみを感じられる監督とそうではない監督がいるもの。なぜかと僕に聞かないでくれ。でも選手達はジダンにより好意を抱いている」と発言。ベニテス時代は出場機会の少なかったイスコも「ジダンが求めることはよく分かる」とし、ヘセも「すごく嬉しい。選手と近い距離を保つ監督だし、いろんなことを気にかけてくれる」と歓迎している。もともとタレントではバルセロナにまったく引けを取らないレアルマドリー。選手と監督がひとつになり団結した後半戦は巻き返しが見られそうだ。
 

2015年12月08日

データで見るリーガ
 
 バルサの圧倒が目立つ今季のリーガ。一方で、クラシコで大敗したように、レアルマドリーにはいまひとつ元気がない。3分の1が終わったリーガを、データからみてみると、そんな2強の勢いの差が浮き彫りになっていて興味深い。

 まず際立つのは決定力の差だ。意外ではあるが、バルセロナ、レアル、アトレティコの3チームでもっとも枠内シュートを放っているのはレアル。バルサ攻撃陣の爆発の印象が強いが、レアルは208本の枠内シュートを放っている。バルサは177、アトレティコは138にすぎない。
 しかし差が出ているのが、シュートの決定率だ。
 バルサは枠内シュートの内53%を決めており、レアルは49%。レアルと比較すると、バルサは完全に相手を崩し切った形での得点が多いことも、この数字に表れている。

 さてパス本数は、予想どおりバルサの圧勝だ。バルサのパス総数は7860本で、これはレアルの7206本と比べると650本以上多い。パス成功率ではほぼ同等だが、クラシコを見てもわかるように特に中盤の充実度には大きな差がみられる。ボールポゼッションをみても、バルサの64%に対し、レアルは57%。ルイス・エンリケにかわり、サッカーがカウンター型になったとの声もあるが、数字が示すのは、それでもバルサはポゼッション&パスサッカー志向だという事実である。

 順位表だけではない。データからみても、バルサの前半戦の優位性は明らかなのである。

2015年11月26日

二人の英雄
 クラシコの華やかさも、世界レベルの美技もないかもしれない。しかしファンの間で密かに注目を浴びている試合がある。
今週末に行われる、ラス・パルマス対デポルティボ・ラコルーニャの一戦だ。ふたりのベテランの対決だ。ファン・カルロス・バレロンとマヌエル・パブロ。前者は40歳。後者も1月で40の大台に乗る。彼らは現在のリーガで最も有名なベテランたちである。
彼らは90年代に『スーペルデポル』とよばれた、デポルティボ・ラコルーニョの中心選手だった。90年代から2000年初頭までをこよなく愛するリーガのオールドファンにとっては、忘れられない存在である。今もピッチに立っているだけで驚きだ。

 バレロンは言う。
「マヌエル・パブロとの対決は楽しみだよ。僕らは何歳になっても、昔と同じような喜びをもってプレーしているんだ」
 ファンが待望するふたりのピッチ上での再会、その可能性はあまり高くはない。マヌエル・パブロは負傷明けで、バレロンには今季ほとんど出場時間がない。
しかしマヌエル・パブロが「バレロンはもっとプレーしたいと言っているけど、まあ仕方がないよね。それでもラスパルマスのチームメイトはみな彼のことを尊敬している」といえば、バレロンは「もちろん僕も彼もプレーはしたいけど、この状況を楽しんでもいる。まだプロでいられるというのは素晴らしいことだ」と状況を受け入れる。

 時を経て、ラスパルマスで再会するかつての英雄たち。試合後には、共に過ごした古き良き時代と、懐かしのスーペルデポルについてゆっくり語り合うのだろう。
 

2015年11月10日

ネグレドの苦悩
 選手がクラブ、あるいは監督から、いわゆる“干された”状態にされることは、どのリーグでも、どのチームでも起こりうることだ。契約問題、監督との不仲、あるいは問題行動を起こした・・・などなど、理由は様々だ。

 今、スペインはバレンシアでそんな苦い時を過ごしている選手がいる。アルバロ・ネグレドだ。
リーガとCLで6試合連続で招集外と、もう一ヶ月近くベンチ外にされている。彼を差し置いてCFに入っているのは19歳のサンティ・ミナだ。
ネグレドの場合、この問題のきっかけは、監督のヌーノとの衝突だった。この秋に行ったマルカ紙のインタビューでネグレドは「ゴールに遠い位置でプレーしている」と不満を述べ、それが指揮官を怒らせた。
 
 ネグレドを干す理由を問われたヌーノは「私はチームを助けようと日々の練習で努力する選手しか使わない」と語るのみで、具体的にネグレドとの間に問題があったとは認めていない。ネグレドが練習で覇気のないプレーを見せているのだろうか。かつてはスペイン代表のCFを争う存在だったが、ここ数年でパフォーマンスと評価は下がるばかり。ユーロ2016にむけて、スペイン代表の座をめぐるアタッカーの競争は激しいが、今では名前すらあがらない。恐らくはキャリアで最も辛い時期を、ネグレドは過ごしている

2015年10月21日

アセンシオのセンセーション
 エイバルのボルハ・バストンと共に、一躍時の人となっているのが、エスパニョールのアセンシオだ。
 
 彼にとってリーガ1部でのプレーは初めてのことだが、わずか5試合、高いセンスとテクニックで、スペイン人を虜にしている。
 
 第8節、エスパニョールがアウェーでベティスを破った試合でのことだ。
 
 アセンシオに敵地のサポーターは盛大な拍手を送った。敵地で喝采を浴びる、というのは、限られた選手にしか起こらないことだ。近年ではカンプノウでのジダンやベルナベウでのロナウジーニョくらいだろう。並の好プレーくらいでは、スタジアム全体が揺れるような喝采は起きないのである。
 
 それにもかかわらず、この19歳の若者は各地でスペイン人の心を動かしている。
 
 ちなみに1−3で勝利したベティス戦、アセンシオは1点も得点を決めていない。得点という結果が何よりも重視されるスペインで、無得点でこれほど評価されるケースは稀だ。3アシストをしたアセンシオに、地元紙マルカは異例の9点をつけ絶賛した。
 
 今夏のU19欧州選手権で優勝したスペインU19代表の中心で、同大会では最優秀選手にも選出。この活躍を続ければ、来夏のユーロ2016のメンバー入りもあり得る。メジャー大会3連覇の後、ここ数年はやや停滞感のあるスペイン代表を活性化できるのは、この19歳かもしれない。

2015年10月13日

ベニテス監督の誤算
 10月のユーロ2016予選、各国代表の試合を頭を抱えて見ていた男がいる。

 レアルマドリーのラファ・ベニテス監督だ。

 彼はこの代表戦で、今季のマドリーで最も好調だった2選手、ベンゼマとモドリッチを負傷で失ったのである。リーガ得点王でもあるベンゼマは3週間の離脱。”現マドリーはモドリッチのチーム”と言われるほど攻撃の中心になっているモドリッチは、チャンピオンズリーグのPSG戦での復帰が予想されるが、これも定かではない。

 特に得点面で痛いのはベンゼマ。8月29日以降、ベンゼマとロナウド以外の選手は誰も得点しておらず、ゴールはこのふたりに完全に頼る形になっている。エースのロナウドはエスパニョール戦しか得点していないなどパフォーマンスにブレも。

 得点源とチャンスメイカーのふたりを一時的に失ったベニテス。得点王不在の中、ベニテスが望みをつなぐのは、まさかの不調に苦しむロナウドしかいない。
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