2016年03月23日

イースター休暇

 代表ウィークに入りリーグ戦が中断するドイツでは、イースター休暇も始まりました。
夜の試合だとまだまだ真冬の寒さが辛いですが、日中は春の日差し。20日のアウグスブルク対ドルトムント戦に駆けつけたドルトムントのファンたちも、市役所前広場のカフェの外席に座って日光浴していました。

 さて試合は、アウグスブルクに先制されて、前半終了間際に1-1に追いつき、後半にカストロとラモスが得点して3-1で勝ちました。
まあ、期待通りの結果と言っていいでしょう。これでバイエルンとの勝ち点差5をキープできました。
バイエルンは3年前には2位ドルトムントに勝ち点25差、2年前は19点差をつけて優勝し、昨シーズンはウォルフスブルクに10点差でしたから、”差”が縮まるこの傾向が続けば、来季の優勝争いはもっと面白くなるかもしれません。

 ドルトムントは4月に、欧州リーグでリバプール戦、リーグ戦ではシャルケとのダービー、ドイツ杯の準々決勝のヘルタ戦と見どころが目白押し。日本人選手の多くを巻き込んだ残留争いもスリリングです。

2016年03月15日

You’ll never walk alone

 3月13日のマインツ戦、後半28分。オーバメヤンからのボールが左から入り、香川選手のゴールが決まりました。
でもなぜか、観客たちは静かなまま。「カーガワ・シンジ〜」と歌うこともなく、スタジアム・アナウンサーもいつもと違って暗い声で2−0が入ったことを伝えるだけ。いつもとは何かが違うことを察した香川選手は、控えめに喜ぶだけでした。
 
 その後もしーんと静まりかえったファンたちは、88分になると急にみんなでマフラーを掲げて「You’ll never walk alone」を大合唱。これにはマインツのファンたちも参加し、試合後には選手たちも南側スタンド前で肩を組んで、一緒に歌いました。
 
 試合中に観客2人が心臓発作を起こし、その1人が亡くなったことに対する悲しみをファンたちが表現したのですが、瞬く間に8万人に広まって、その統一の取れていることに感心しました。
スタジアム・アナウンサーが試合後に「ファンのみなさんの、敬意のあるこの行動に感謝します。特にマインツのファンたちに、ありがとうと言いたい」と言ったのも良かったです。こういうことがきっかけとなって、両クラブ•サポーター同士の友好関係が生まれたりするのかもしれません。
 
 毎試合8万人もの観客が集まるのですから、いつ何があってもおかしくないのかもしれません。
長年勤務するセキュリティーの男性は、「心臓発作はよくある。でもこういう風にファンたちが反応したのは初めて」と言っていました。
 
 ちなみに選手たちは、試合が終わってから事情を知ったそう。異様な雰囲気の中で試合を続けるのは難しかったかもしれないですね。
とにかく、考えさせられる特別な試合になりました。
 

2016年03月08日

監督解任
 3月6日、フランクフルトがアーミン・フェー監督を解雇しました。
後任候補にはヨス・ルフカイ(元ヘルタ、アウグスブルク)、マルクス・ギスドル(元ホッフェンハイム)、タイフン・コルクト(元ハノーファー)などが挙がっているそうです。

 現在他にも、ハノーファーのトーマス・シャーフ監督、シャルケのアンドレ・ブライテンライター監督、メンヘングラッドバッハのアンドレ・シューベルト監督、レヴァクーゼンのロジャー・シュミット監督の座が怪しいとか。一人監督が動くと、他のクラブでも監督人事が回り出すことを、ドイツでは「監督のメリーゴーラウンド」と呼びます。

先週発売のシュポルトビルト誌ではこんな合成写真が……(笑)

フェー監督とシューベルト監督が馬から落ちそうになっている一方で、ヴァインツィール監督(アウグスブルク)やハーゼンヒュットル監督(インゴルシュタット)はしっかり馬にまたがっていますが、頭の中では違うクラブのことを考えています。
 
 同誌の推測では、このメリーゴーラウンドを動かすことになるのはおそらくRBライプツィヒ。
来季1部に昇格する見込みのこのクラブは、ヴァインツィール監督の招聘を願っているものの、アウグスブルクはRBライプツィヒに行かせたくないため、メンヘングラッドバッハが横入りする。
そうなるとメンヘングラッドバッハは現在のシューベルト監督を解雇し……とメリーゴーラウンドは回り始めるということです。
 

2016年03月01日

日本人選手トリオ

 2月27日。8連敗して最下位にいるハノーファーが、アウェーのシュツットガルト戦で勝利しました。
この試合でトーマス・シャーフ監督は6つのポジションを変えていて、「やぶれかぶれの策か」ともとられましたが、大当たり。シュツットガルトに先制された後も諦めずに、相手の猛攻撃に耐えぬいて、いずれも清武選手のフリーキックから2得点。0−1を2−1にひっくり返しました。
 
 それにしても、清武選手のフリーキックはさすがです。怪我でしばらくいなくても、こういう感覚はなくならないようです。
また、この試合では日本人選手が3人も同時に先発出場したのですが、清武選手、酒井宏樹選手、山口選手の試合後の話を見てみると、3人ともそれは意識していたようです。
「僕たち3人がいて降格することは、やっぱり日本人の評価を下げてしまうことにもなるので、とても悔しい思いでしたし……」と酒井選手。
試合終了の笛が鳴った時には、本当に嬉しそうに、山口選手に駆け寄って行きました。
 
 一方で清武選手は、しばらくベンチに座ったまま。「疲れました!久々に90分近くプレーして、疲れたし」としながらも、「まだ1勝しただけなので、そこは気を締めてやらないと。この1勝が無駄になる可能性もあるし、だからこれからかなと思います」と冷静でした。
でも「喜びまくったら、疲れますもん」と笑顔を見せる清武選手に、とてもシンパシーを感じました。
「ハノーファーが生き残るための唯一の希望」とか地元紙に呼ばれてプレッシャーにならないかなと考えたのは、余計な心配のようでした。

2016年02月23日

小さいけど賢く

 20日、ベルリンのオリンピアスタジアムでヘルタ対ウォルフスブルクを観ていると、他会場の途中経過を示す電子掲示板に「バイエルン0ー1ダルムシュタット」という表示が……
この瞬間に「ヤー(イエス!)」という歓喜の声でスタジアムが包まれました。
これはきっとバイエルン以外の会場のどこでも同じだったはず。
みんなアンダードックを応援したい心情があるのですね。

 でも23日のCLとなると別です。やっぱりバイエルンには勝ち進んでほしい。
しかしディフェンダーが次々と怪我で離脱し、ダルムシュタット戦では冬に獲得したセルダー・タスキがあまり役に立ちそうでないのがわかった今、ユベントスを相手にどう立ち向かうのか。けっこう厳しいかもしれません。

 予想されるのは、左からラーム、キミッヒ、アラバ、ベルナトのフォーバック。
ラームとベルナトは170cm、キミッヒは176cm、アラバは180cmと小柄です。
ユベントスには185cm以上の選手が9人おり、バイエルンには3人。
空中戦になったら、あまり勝ち目がありません。
グアルディオラ監督は「自分たちのペナルティーエリアに相手を近づけない。そうすれば危険が減る」と言っていますが……
 
「小さいけど賢く」というのがキッカー誌の見出しで、解決法のようです。
 

2016年02月16日

ドルトムント対ハノーファー戦

 ハノーファーが健闘してドルトムントはなかなかゴールを割れず、かなり忍耐力のいる試合でしたが、
途中でテレビにちょこっと映ったスタンド観戦中のオーバメヤンの姿に、釘付けになりました。
 
 ジャージの上に、真っ白の毛皮をまとい、頭には空色のキャップ……
特に寒くて暗い日だったし、周りの人たちはみんな黒っぽい格好をしている中で、完全に浮き立っていました。
いや〜、この日は打撲のため出場できなかったオーバメヤンですが、ピッチにいなくても、やっぱり目を惹きますね。
 
 テレビのレポーターに「あの格好をどう思いますか?」と試合後に聞かれたトゥッヘル監督は、
「オーバならぜんぜんやってもかまわないんじゃないかな」とニヤニヤしながら答えていました。
 
 ツイッターでも大反響を呼んでいます。
「オリビア・ジョーンズもスタジアムにいたのか!」
「洋服クローゼットを見てみたい」
「あの毛皮のジャケット、いつからファンショップで買えるの?」
 
 試合後、あの格好でゴールドのランボギーニ(今はポルシェも持っていて、ゴールドに塗装してもらったらしい)に乗って帰って行くオーバメヤン。「スターに会えた」って感じです。

2016年02月09日

原口元気VS香川真司
 2月6日のヘルタ対ドルトムント戦。2位と3位の上位対決になりましたが、プレスルームでスタメン表をもらうと……香川選手の名前がありません!
よ〜く目を凝らしてもう一度見てみても……やっぱりない。
試合後の記者会見でトゥッヘル監督はいくらかムスッとした様子で、
「フィールドプレーヤーは16人しかノミネートできないから」とだけ説明していました。
地元紙も「17歳のプリシッチが香川のライバルになった」、「忘れられていたモーリッツ・ライトナーに席をとられた」、「香川とチームへの警鐘」とか、この異例な処置に対して大きく反応しました。
 
 さて、ドルトムントに0−0で引き分けたヘルタに対する評価は高いです。
なにしろドルトムントは今季52得点もしていて、1得点も決めさせなかったのはヘルタが初めて。
ヘルタの番記者さんたちが「いや〜良い試合だったな」「よくやった」と興奮気味だったのは、ドルトムントの記者さんたちが「まったく何もできなかったな」「退屈だ」と言っていたのと対照的でした。
このままで行くとヘルタは来季チャンピオンスリーグです。
「いやいや……うちはトップチームじゃない」とパル・ダルダイ監督はブレーキをかけていますが、ベルリンっていちおうドイツの首都。たまにチャンピオンスリーグがあっても良いのでは?
 
 そのためには、引き分けではなくて勝負をつけられるようにならないと、下のチームとの差がどんどん縮まってしまいます。
後半戦の3試合いずれも引き分け(アウグスブルク戦0−0、ブレーメン戦3−3、ドルトムント0−0)。
「ずっとここ何試合も負けてないっていうのはチームとして粘り強く戦えている証拠。でも後半戦勝ちきれていないというのも事実なので、複雑な感じ」と原口元気選手は喜んだらいいのか悔しんだらいいのかわからないといった表情でした。

 

2016年02月02日

意味深なコメント
 1月30日、全豪オープンテニス、女子シングルでアンゲリーク・ケルバーが優勝。
翌31日にはハンドボール男子代表が欧州選手権を制覇したため、珍しくブンデスリーガの陰がずいぶん薄くなったように感じた第20節でした。
 
 ケルバーの優勝は、ドイツ人選手としては1999年のシュテフィ・グラフ以来で、ドイツがかつてテニス大国だったことを思い出させた快挙でした。
そしてハンドボールも、ドイツではとても人気があるのですね。マインツ対メンヘングラッドバッハ戦が始まる直前まで、プレスルームでは記者たちが準決勝ドイツ対ノルウェーの均衡した戦いを見ながら大フィーバーしていました。
 
 さてマインツは、メンヘングラッドバッハに1−0で勝利。武藤選手は先発に復帰も、後半の途中でコルドバと交代になってしまいました。
この冬の移籍期間での移籍がなくなったので「吹っ切れてというのはあるか?」との質問には、「ハ、ハ、ハ」と笑いながら、「ノーコメントで」との答え。意味深です。
これまでの報道に間違いがなければ、マンチェスター・ユナイテッドから1500万ユーロのオファーをマインツが断ったということですが、本当は別のクラブからもオファーがあったのかもしれません。
 
 来夏にも同様のオファーをもらうためには、前半戦くらいの活躍を見せなくてはならないと思うのですが、途中で代えられてしまうときついでしょう。武藤選手自身も「自分自身が生きてくるのは、最後、相手の足が止まった時でもある」と言っています。もうそろそろ、ラッキーボールが来ないかなと期待しています。
 

2016年01月26日

後半戦開幕

 1ヶ月のウィンターブレークが終わり、ブンデスリーガの後半戦が幕を開けました。

 日本人選手で先発出場したのは酒井宏樹選手、大迫選手、原口選手、長谷部選手。武藤選手は後半途中から出場。香川選手、酒井高徳選手、山口選手はベンチ入りも出場せず。清武選手と内田選手がいつ復帰できるかはまだ定かでなく……と、日本人選手に関しては少し寂しいスタートとなりました。

 香川選手はドバイ合宿から帰ってから胃腸炎のため休み、その後もチームと別メニューで調整していたので、ボルシアMG戦で温存されても仕方ないと思ったのですが、本人は「(出場できなかった理由が胃腸炎だったかは)わかりません。その前からスタメン組じゃなかったから……まあわからないですけど」と暗い表情。確かに、キャンプ中の12日に行われたフランクフルトとのテストマッチ、15日の全北現代モータースとのテストマッチでもスターティングメンバーではなく、後半からの出場でした。

 ボルシアMG戦の翌日24日には、ウニオン・ベルリンの創立50周年記念の親善試合に、若手有望選手たちと一緒に出場した香川選手。欧州リーグやDFB杯も始まれば、これから十分出場する機会があるはずです。あまり考えすぎないで、いつもの笑顔を見せてほしいなと思います。

 

2015年12月15日

メルクスタジアム

 ついに、ダルムシュタットのメルク・スタジアムへ行ってきました。

 1921年に建てられ、収容観客数は17000人。メインスタンド以外はすべて屋根無しの立ち見席(席というのでしょうか?)です。
「苔と錆の総合芸術作品」と書いた新聞もありました。古き良き時代を思い起こさせるため、「ロマンを感じたい人には最適」という噂は本当でした。

 私もすっかり一目惚れ。一昔前のザンクトパウリを思い出すコンテナの中のファンショップで、珍しくグッズまで買ってしまいました。
ユリの花(ドイツ語で「リーリエン」。チームの愛称でもある)がロゴとして入っていて、なかなかかわいいんです。

 びっくりなことに、ダルムシュタットはなんと、2010−2011年シーズンにはまだ4部にいました。
それから3部で3年をすごし、2014−2015年の1シーズンだけ2部にいて、今季は1部ブンデスリーガに上がってきました。
現在の順位は12位で、なかなかの出来です。

 ピッチに立っているのは、ヤン・ローゼンタール(元ブレーメン)、コンスタンティン・ラウシュ(元ハノーファー)、マルセル・ヘラー(元フランクフルト)、ペーター・ニーメイヤー(元ヘルタBSC)など、どこかで見たことのある懐かしい面々……3年間でチームを1部に導いたディルク・シュースター監督は、とても良い監督なのでしょうね。

 面白いことに、ダルムシュタットには他のクラブのように、ビデオアナリストや心理療法士などはいないのですが、2人のスカウトがいて、それはシュースター監督とアシスタントコーチのお父さん(いずれも75歳)なのだそうです。

 会長のルディガー・フリッチュさんも、「うちの施設を見て『いつ修復するんですか?』なんて聞くような奴には契約はやらない!」と言ったりして、なかなか面白い。

 頑張って残留して、来季も1部に残ってくれたらいいな〜と応援したくなりました。
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