あらすじ

大分県国東半島の真玉町にある猪群山(いのむれやま)の山頂近くに、猪群山ストーンサークルという謎の遺跡があります。いにしえの昔より地元の人に崇められている巨石群で、ストーンサークル内は女人禁制となっています。卑弥呼の墓だとかゾロアスター教の祭祀遺跡だとかいう説もある環状列石の遺跡は謎に包まれています。
そんな猪群山ストーンサークルの中で、女性の他殺体が発見されます。たまたま猪群山ストーンサークルの取材に来ていた東京ベイテレビの須佐哲也アナウンサーが、その死体発見現場に出くわします。そして須佐アナは、殺人事件の犯人探しの旅に出ることになるのです。
「猪群山ストーンサークル殺人事件」は、殺人事件の謎解きと古代史の謎解きが同時に味わえる「古代史ミステリー」です。

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第3章 神湊 10

「もしもし百坂君、どうだったの取材は?」
「はい社長、実りある取材でした。とてもおもしろい遺跡なので連載にしても良いですか? 今は原稿をまとめているので、出来次第送ります。待っていて下さいね。ところで先程送った占いカフェの原稿はどうでしたか?」
「ああ、あれは良かったわ。あまりにもおもしろそうな店だったので、実は今、そのお店にこっそり来ているの。ホント大繁盛よ!」
「そうですか。それはうれしい限りです」
「そういえば、あの姉妹店の喫茶ゾロアスターも行ってみたいわ。とりあえず、送ってくれる遺跡の原稿楽しみにしているからよろしくね」
 若い女の子を中心に混雑している店の片隅で、携帯電話で小声で話していたのは磐井(いわい)出版の女社長・磐井和子だ。次に出すタウン誌の特集記事として、今博多の街で大流行している「占いカフェ・愛子」を百坂豊彦が取り上げたのを実際に見に来たのだ。
 占いカフェ・愛子は、地元福岡で評判の占い師・元木愛子に実際に占ってもらえるサービスなどで人気を呼んでいる。一日限定3人というのがかえって希少価値を生み女性客が殺到し、予約が先まで埋まっている人気スポットなのだ。
磐井は予約せずに来たので、自分の干支の酉ランチを頼んでいた。
「お待たせしました。酉ランチです」
 ウエイトレスの持って来たランチプレートには、鳥の唐揚げとライスとサラダ、そして占いカードが載っていた。これに食後のコーヒーが付くのだ。磐井は食事を急いで食べると、楽しみに取っておいた占いカードを開いてみた。そこには恋愛運・金銭運などが元木愛子の言葉として博多弁で書かれていて、総合運は『吉』ということだった。最後の但し書きを見て磐井は思わずつぶやいてしまった。
「“ばってん、何か大変なことに巻き込まれるかも”か。あんまり良くない占いだわね。そういえば、みどりちゃんが来店した時も“あんた地獄に落ちるばい”って言われたって言ってたわね」
 その時、磐井の携帯が鳴った。
「もしもし、私大分県警の誉田猛と申しますが、磐井出版さんでしょうか?」
「はい、磐井出版です。私が社長の磐井和子ですが…」
 磐井社長の携帯は、会社の電話が転送されるように設定されていたのだ。
「お宅に粟島みどりさんという女性は勤めていらっしゃいますか?」
 磐井が自己紹介するやいなや、誉田刑事は尋ねた。
「はい、大学に通いながらうちでアルバイトしてくれていますが…。みどりちゃんがどうかしましたか?」
 磐井は警察からの突然の電話に不安になって聞き返した。
「ご存知なかったのですか? 粟島みどりさんは殺されました」
「えっ」
 誉田の言葉に絶句した。忙しくてニュースを見れずにいた磐井は、事件のことをまったく知らなかったのだ。
「実は、きのう、大分県の真玉町にある猪群山ストーンサークルで刺殺されたのが発見されたのです。今日でもそちらに伺いたいと思っていますが、ご都合はよろしいでしょうか?」
「はい、わかりました。お待ちしております」
 誉田の申し出に、ショックを受けた磐井はか細い声で答えた。そしてうなだれた磐井の視線の先には「何か大変なことに巻き込まれるかも」と書かれた元木愛子の占いカードがあった。

 


コメント


ちょっと出かけている間に話は進んでいますね。

やはり、毎日ブログ小説と「清水Pは見た」のブログを読んどく必要があると感じました。

須田哲夫アナウンサーの快諾良かったですね。
山上智さんは写真でしか拝見していませんが、DVD楽しみにしています。
場面はいきなり福岡市内に転換。
粟島みどりが「あんた地獄に落ちるばい」って、どういう場面で言われたのか? 元木愛子に直に??
占いカフェと喫茶ゾロアスターが姉妹店???
謎は深まる・・・っていう展開?!
酉ランチですか(笑)
酉=鳳凰ともとれますね。
ストーンサークルを、掘り起こすと(鳳凰、龍)の模様が描いた中国からの頂きものがあるかもね。

ところで、真玉町にゾロアスター教に詳しい喫茶店が、現実に有るなら行ってみたい!
フィクションですかね?
おはようございます。

12支の酉ランチとは考えたものでする。

占い師も怪しくなってきましたね。
「魏志倭人伝」の銅鏡の話しから、いきなり刑事さんですか、きっとこの展開がのじれったらさが良いのでしょうね。
DVD期待しています。
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