みよ
ESSE web「プラチナレポーターズ」のメンバー。ご飯も食べられる天然酵母パンのおみせ『mignon』店主。アパレル会社に勤務後、パン屋などでアルバイトを経験後、『cafe mignon』の開業・経営を経て文京区・小石川に店舗を移し、現在に至る

ESSE最新号

4月号発売中。表紙はまたまた初登場の永作博美さん。巻頭特集は鉄板の「つくりおきおかずで朝つめるだけ! 弁当」です。ほかにも、押入れ&クローゼット収納やナチュラル掃除術、新キャベツ&新ジャガレシピなど、読み応え抜群の企画がたっぷり!

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2010年03月19日

ビックリ!?な物件

なにせ、3年以上も借り手がつかなかった物件。
以前は大家さんが30年以上喫茶店をやっていたが、
ご病気で閉めたらしく、“居抜き”の物件だったのだ。



ほの暗い店内を見渡し、まず一番最初に目についたのは、
あの素敵な景色を覆ってしまっているこげ茶色のカーテンだった。

「よし! まずはこの茶色いカーテンからはずしちゃおう!」と手にしたら、
指がベタベタ! そして触った部分の色がかすかに変わった。
そのベタベタの正体は、油とタバコのヤニ・・・
さらにカーテンの元々の色は茶色ではなく、「白」!!


ほかの部分もそう。

よくよく見渡すと、壁も、厨房も、ヤニと油がしみ込んでしまって、
とにかくすべてがヤバい!
あとから決まった業者さんもあきれるほどのヒドさだった。





そんな姿勢が、お店の数字に出ていたのだろう。
放置してあった動かなくなったレジの中に、月まとめの売り上げの記録が
残っていたが、一万円いっているか、いっていないか・・・
「逆にこんなトコでコーヒーを飲む人の顔が見てみたいかも・・・」
と思ってしまった。


おみせやさんをやっている今でもときどき、思い出す。

私たちにとっては、普段おざなりになりがちな箇所であっても、
お客さまにはピンポイントに目がいってしまう場所って、ある。
それは、その人その人で違うのだが、
とにかく!「気づいたらマメに掃除」は不可欠。

なぜなら、ここはおみせやさんであって、おウチではないのだから。

2010年03月11日

動きまくる直感




さて。

不動産屋さんで申し込みをしてしまったあとに、
じつはこの物件が借り手がつかないまま3年以上経っている、
ということも知った。



そしてとっさに、またつぎの直感が働き、
今度は不動産屋の仕事をしている友人と、飲食店をしている友人に
電話をする私がいたのだった。


偶然は必然、というが・・・

そのとき頼った友だちはいずれも、いつもはなかなか会うのが難しいほど
忙しかったのだが、そのときは“偶然”にもヒマで、
時間がつくりやすい環境にあったのだ。


まずは不動産屋さんから渡された契約書を、
不動産屋の仕事をしている友だちと弁護士さんにチェックしてもらう。

「うん、問題ないよ」と、何日か経ってから返事をもらえた。


次に、飲食店を経営している友人に物件を見てもらう。
彼は呆然としつつ、開口一番、
「なんでこんな立地のところにしたの???」






おっしゃるとおり・・・・・・
この物件のある場所は住宅街なのだ。人通りだって、正直少ない。

でも、「窓から見た教会の銀杏があまりにもきれいだったから…」と、
おずおずと主張すると、
「まぁ・・・初出店なんだから、のんびりできていいんじゃないの?
商売ってのはね、まず自分のご飯が毎日食べられればいいんだから」
となぐさめるように言ってくれた。


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2010年03月03日

小さな教会が見える物件との出合い

〜おみせやさんをはじめたいあなたへ・本編スタート〜

ある秋晴れの日。

実家の母とランチに出かけたあと、ひとりでなんとなく散歩しながら
「そういえば、おみせをやるっていったって、
お店のお家賃って一般住宅とは違った形態よね?」
とふと思いつつ、通り慣れた懐かしい道を歩いていると、目の前に

「テナント募集」の文字。



直感で不動産屋さんに電話をして、
「中を見せてください!!」と頼んでしまったのだ!


ほどなくして担当の方に見せていただくと、
大きな窓からは、100年は経っていると思われる小さな教会が
目の前にボーンと入ってきた。

その景色がまるで一枚の絵のようで・・・
私はただただその“絵”に見せられてしまったのだ。


そして
「ここ、借ります!」
と、お家賃どころか、なんの下調べもなく不動産屋さんに
申し込みをしてしまった・・・


なにか「おみせ」を始めたいと思っている人、「直感」もけっこう大事です(笑)
考えるより、行動してしまったほうがつぎに進みやすいコトって、
案外ありますから。


だって私がそう。
貯金も、「カフェを始めるためにやんなきゃ!」と
貯め始めたばかりだったし。


これからお話することで、
「あ、私のほうがまだマシ!」と感じることはたくさんあるはず^^

2010年02月25日

大抜擢???




ある日、本社の方が来て
「ねぇmiyoさん、新しいサンドイッチとDELIを
開発する仕事をやってみない?」
と打診された。

へ? 新商品開発ぅ???

それまで何度も本社から応援が来て、
サンドイッチやDELIをつくったことはあった。
そのたびに彼らと仕事をしながら出る話題は当然、
「今、これから流行る食材や味」のこと。
そういった話が私は大好きだったから、
本社の応援が来るのはひそかな楽しみでもあった。
その流れからこの話がきたのかもしれない。


「新商品開発・・・ですかぁ」
それまでは、マニュアルどおりのつくり方だった。
でも、ココロのどこかでいつも、
「このパンって、どうしてこの食材なんだろう?」
といった疑問を、どこのパンやさんでも抱くことが、
正直何度かあった。


そして本部の方は、何枚かの紙を差し出した。
「これが過去のレシピ表。で、これがmiyoさんがつくるレシピ表。
使ってほしいパンは、フレッシュな感じのものと、
味わい深い、なんだかゆっくり目をつむりながら食べたくなるもの。
とりあえずこの2種で。で、一番大切なこと!
パンを入れて原価率30%、これ死守ね!」

はぁぁぁ・・・


過去のレシピ表を見ると、料理本に出てきそうな美しい写真の下に、
材料、グラム数、使用するソースなどなど、事細かく書かれていて、
備考欄には、「野菜等、状況により価格の変動が予想されます。
その際には見直し願います」といったことまで記されていた。


パン職人たちが、自由につくっていると思っていたけれど、
彼らもこういった課題を与えられているなかでやっていたワケだ。
「おいしいものをつくりたい。お客さまに召し上がっていただきたい」
その気持ちは、みんな一緒。
でも、商売になると、こういった数字がついて回る…
この現実を直視して、なんだかショックだった。



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2010年02月16日

自分よりも、パン!




サンドイッチの厨房は小さかったが、パンの厨房と店舗は広かった。
とはいえパンの厨房も、以前のパンやさんの3分の1くらいだったが・・・
家族でやっていた以前のパンやさんと比べ、
こっちは“他人同士”の職人だらけ。
つねに10人はいただが、とにかく“戦場”だった。


防音加工が施されていたと思うが、大きなかけ声が飛び交い、
生地を打ちつける音や焼き型からガンガン焼き上がったパンたちを
出していく音。そしてまだまだ仕事がおぼつかない職人の卵が
失敗すればどなられたり、蹴られたり(今、教える側がそんなことをすれば
訴えられてしまうから、やらないだろうが・・・)しながら、
たくさんのパンたちがつぎつぎと店頭に出ていく。


私もひとりでパンをつくるようになってからわかったが、
たとえ天板や窯で自分が火傷してもおかまいナシになる。
焼きあがるパンたちの安全のほうが先なのだ。


不思議なんだけど、ね。
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